金沢市議会 > 2017-06-22 >
06月22日-04号

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  1. 金沢市議会 2017-06-22
    06月22日-04号


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    平成29年  6月 定例月議会          平成29年6月22日(木曜日)-----------------------------------◯出席議員(38名)     議長  黒沢和規     副議長  下沢広伸     1番  上田雅大      2番  中川俊一     3番  小間井大祐     4番  坂本泰広     5番  松井 隆      6番  熊野盛夫     7番  大桑初枝      8番  広田美代     9番  源野和清      10番  麦田 徹     11番  長坂星児      12番  前 誠一     13番  高  誠      14番  喜多浩一     15番  小阪栄進      17番  高岩勝人     18番  野本正人      19番  久保洋子     20番  松村理治      21番  清水邦彦     23番  小林 誠      24番  山本由起子     25番  森 一敏      26番  秋島 太     27番  角野恵美子     28番  宮崎雅人     29番  玉野 道      30番  森尾嘉昭     31番  松井純一      32番  中西利雄     33番  澤飯英樹      34番  安達 前     35番  福田太郎      36番  横越 徹     37番  田中展郎      38番  高村佳伸◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        山野之義   副市長       丸口邦雄 副市長       細田大造 教育長       野口 弘   公営企業管理者   桶川秀志 都市政策局長    平嶋正実   総務局長      相川一郎 文化スポーツ局長  嶋浦雄峰   経済局長      吉田康敏 農林水産局長    松倉剛弘   市民局長      鹿間 哲 福祉局長      太田敏明   保健局長      越田理恵 環境局長      佐久間 悟  都市整備局長    木谷弘司 土木局長      磯部康司   危機管理監     中川富喜 会計管理者     石野圭祐   消防局長      小谷正利 市立病院事務局長  西尾昭浩   財政課長      村角薫明-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      宮本博之 担当部長兼議事調査課長      議事調査課長補佐  三傳敏一           中宗朋之 議事係長      角田章郎   調査係長      山口賢一 主査        八木淳介   主査        喜多泰正 主査        嶋田健治   主査        渡邉泰介 主査        富川朗人   主任        松田宏志 総務課担当課長   九社前俊一  主査        寺畑 聡-----------------------------------◯議事日程(第4号)  平成29年6月22日(木)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)ないし議案第15号市道の路線変更について                         (質疑、委員会付託) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第4号)に同じ-----------------------------------     午前10時3分 開議~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △開議 ○黒沢和規議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○黒沢和規議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○黒沢和規議長 これより、日程第1議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)ないし議案第15号市道の路線変更について、以上の議案15件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○黒沢和規議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 3番小間井大祐議員。     〔3番小間井大祐議員登壇〕(拍手) ◆小間井大祐議員 皆さん、おはようございます。 昨日、県内もようやく梅雨入りしました。本日は晴れてしまいましたが、四季を楽しむことができるのも金沢の魅力だなと改めて思いました。 最初に、そんなすてきな金沢の新幹線開業3年目、これからの政策というテーマで、以下数点お伺いいたします。 北陸新幹線が開業して以来、観光入り込み客数は年間1,030万人を、宿泊者数も約308万人を、外国人観光客も約35万人を超える都市となりました。交流人口増加が宿泊業、飲食サービス業などの関連業界の業績に貢献し、ホテル投資や設備投資へと広がっています。また、首都圏へのアクセスがよくなったことからも、県外から金沢市内に新たに68企業の支店や営業所が開設し、都心軸を中心にオフィスの空室率も減少に転じています。その結果、法人市民税額の推移については、平成27年に行われた税の法改正を加味しても近年は増加傾向にあります。金沢は観光都市と言うべきではないと個人的には考えますが、まさに観光が多くの交流人口を生み、都市の稼ぐ力となっています。一方で、市長も危惧されますマイナスの影響として、市民生活への影響や金沢らしさの喪失が問題視されています。守りとして、市民にとって暮らしやすいまちづくりを第一に考える必要があり、そして、将来世代に金沢の本物の文化を受け渡す使命があります。また、攻めでは、より多くの観光客に来てもらおうとする量の部分と、文化産業の発展につながるよう、金沢をより深く味わってもらう質の部分、両方を追求していく使命もあります。先月行われました第1回目の北陸新幹線開業による影響検証会議でも、このような議論がなされたと伺いました。まずは、攻めと守り、または量と質という点も含め、これからの金沢の観光のあり方や政策について、市長のお考えをお聞かせください。 交流人口、市民生活、金沢らしさ、どうバランスをとりながら観光の受け皿を準備していくか、環境整備には言うまでもなく財源が必要であります。東京都では、観光政策のための安定的な財源確保として、平成14年から法定外目的税である宿泊税を導入し、ことし1月には大阪府も開始し、そして京都市も導入に向けて具体的な検討が進んでおります。本市においても、昨年より経済同友会や市議会でも宿泊税を検討すべきという意見が出ました。また、さきの影響検証会議でも、専門家からサンフランシスコのようにホテル税を徴収してはどうかという意見もあったと伺いました。金沢の本物の文化やまちなみを守り、質の高い空間を観光客に提供していく責任がある点や、一方、その観光客も金沢の文化や資産を消費しているという観点での受益者負担の公平性が保たれる点、そして、真の地方分権を推し進めるために、創意工夫をもって課税自主権のもと自主財源を確保していく点があることからも、ある程度の税収を確保できる試算ができれば、宿泊税はぜひ導入すべきだと考えております。そこで、本年度に入り庁内では宿泊税検討プロジェクトが立ち上がり、検討を開始したということですが、現在の検討状況をお聞かせください。 私自身、東京都や大阪府、京都市へ話を伺ってきました。特に京都市については、戦災に遭っていない数少ない歴史、伝統、文化の都市としての文化施設やまちなみを維持していくための文化振興や景観保全に大きなコストがかかる点や、規模は違えど、都市のキャパシティーを超えた交流人口の増加による渋滞など市民生活へ悪影響が出ている点、さらに、観光をどう税収に結びつけ財源を確保していくのかという悩みも含めて宿泊税検討の担当課から話を聞く限り、本市の課題と共通点が多いように理解しました。その上で3つの都市の宿泊税の制度を比較すると、課税対象や範囲、税率の部分では、京都市のみ宿泊料金にかかわらずホテルや旅館、民泊を含む簡易宿泊など全ての宿泊客を対象とし、担税力に見合った税額を徴収することを検討しています。また、税収の使途の部分で比較しても、観光施策というより文化やまちなみの保全といった要素が強いことがうかがえます。そこで、本市についても、税の公平性やある程度採算を確保していくことを第一に考えながら制度内容を検討していく必要があると思いますが、税の目的を含め、京都市における宿泊税の検討についての見解をお聞かせください。 先月末、総務省が実施している経済センサス活動調査の平成28年速報集計が出ました。今回は事業所数と従業者数のみの数値ではありますが、前回調査の平成24年との比較で本市の北陸新幹線開業前後の産業構造の変化を見てみました。総事業所数については、平成28年は2万6,412事業所と平成24年と比べ総数は59の微減でしたが、産業別に見ると、全国的な傾向としては医療・福祉は233事業所ふえ、そして、本市の特徴としては宿泊業、飲食サービス業が170事業所ふえています。一方、これまで金沢の産業を支えてきたものづくりの製造業は134事業所、卸売・小売業は128事業所減っています。一方、総従業者数については、平成28年は25万863人と平成24年と比べ総数は2,352人の増加でしたが、その8割が医療・福祉での増加であり、一方、同じく事業所数が大きくふえたはずの宿泊業、飲食サービス業の従業者数は変化がなく、ホテル等の投資が活発な建設業でも571人の減となっており、ここから深刻な人手不足がうかがえます。そこで、まずはどのような産業が地域の雇用の担い手となっているのか、また、稼ぐ力のある基幹産業は何なのか。本市が把握する産業構造についてお伺いいたします。 産業振興を、1つ、地元企業の活性化支援、2つ、新規創業支援、3つ、企業誘致と大きく3つに分類するならば、現在も正社員を雇って従業員と家族を守っている地元企業の活性化をまずは第一に考えるべきです。お隣の富山は大企業が多く、外から企業を受け入れてきた産業構造ですが、金沢は歴史的背景から中小企業が石垣モデルのように積み上がって産業を形成し、内発的発展の中で文化的にもイノベーションが起きてきたと考えます。その背景や現在の産業構造を見ても、地域の中小企業のビジネスを支える、つなげる、広げる産業、例えばIT関連企業やコンサルティングや転職サービス、広告などのクリエーティブ業など、学術研究、専門技術サービス業に分類する企業がとても少なく、ここをふやしていくことが地元産業をさらに活性化させていくと私は分析します。そして、文化を稼ぐ力に変えていくチャンスもそこにあると思います。現在、本市の行っている地元産業への活性化支援策をお聞かせください。 新幹線による首都圏へのアクセス環境の向上や自然の恵みによる快適な衣食住環境もそうですが、先人たちがつないできた歴史、伝統、文化や職人気質など、これまで積み上げ、磨き上げてきた本市の魅力、資産は、想像性をかきたてるまち、新しい需要が生まれ、夢に挑戦できる都市というブランドを築こうとしています。芸術やビジネスの創業地として選ばれていくことは市長の思いと重なるものだと思います。私は、ITビジネスプラザ武蔵フリーサロンスペースCRITをよく利用しています。そこは起業家やクリエーターやビジネスパーソン、学生たちが打ち合わせをしたり、イベントを行ったりし、金沢で新しい価値の創造のために切磋琢磨しています。また、創業3年目未満の会社や起業家がいち早くリリースできるための設備やアドバイザーが整った低価格のレンタルオフィスもあり、若い経営者たちが夢を追って仕事をしています。人と人が議論をし、ぶつかり合い、イノベーションを起こしていく場として金沢の未来の可能性を強く感じる施設です。今後、この施設に市職員や専門家のアドバイザーが増員されたり、子どもたちの教育機関として利用されたり、さらなる利用、活用と機能拡大を期待しますが、中長期で展望があればぜひお聞かせください。 全ての産業に共通する課題として、人手不足への対応が今後の北陸経済の成長に向けた大きな鍵となります。医療・福祉分野では長期にわたり、そして、観光関連の宿泊業、飲食サービス業、建設業でも慢性的な人手不足が懸念されます。人材を確保するために労務人件費を上げざるを得なく、利益の圧迫にもつながっていきます。後ほど述べますが、近隣市町では新たに大型のショッピングセンターが次々と建設されており、ことし3月、小松に開業したモールと2020年、白山市に開業予定のモールだけ合わせても約400店舗、5,000名の雇用となります。間違いなく雇用という面だけ見ても本市から多くの人材が流出し、市内はさらに大変な人手不足となり、人手不足倒産、サービスの質低下による客離れは既に出始めており、それは本物の提供を目指す本市にとって逆の方向へ進むことではないでしょうか。石川労働局発表の平成29年4月の石川県の有効求人倍率は1.86倍であります。これは働く選択肢がふえてきたというプラスの面もありますが、その反面、多くの企業や商店では人手不足で苦戦しています。そして、この高い有効求人倍率の実態は、正社員の有効求人倍率は1.15倍でパートタイムが2.21倍とパートタイム職が数字を押し上げています。つまりは、産業振興に欠かせない専門的な高度人材をUJIターンとして正社員採用し定住へ結びつけたい、そんな思いはありますが実態は厳しい状況です。学生のUJIターンの促進、女性や高齢者の働く環境を支援することなど、本市が取り組む雇用対策をお聞かせください。 ことし3月に新聞記事にもなり、さきの議会でも喜多議員より質問もありましたが、昭和初期に創業され80年以上にわたって「にし」の芸文化を、金沢のお茶屋文化を支えてこられた、にし茶屋街のしにせのお茶屋西泉家さんは、おかみさんがお亡くなりになり廃業となりました。新幹線開業以来、本市の歴史、文化に対する関心が高まり、さまざまな会場で芸妓さんの華やかな踊りを拝見できる機会がふえた一方で、文化産業全体に言える高齢化や後継者問題は新幹線効果とは別のところにあります。そこで、本市として文化や工芸など高齢者問題に関する取り組みについてお聞かせください。 先ほども述べましたが、かほく市、小松市、白山市など金沢の近隣市町で超大型のショッピングセンターが次々と営業を開始し、本市内の駅前や中心商店街のみならず市内全体の商店の売り上げに大きな影響を与えています。本市では、金沢市商業環境形成指針のもと、条例を制定し、大型店の郊外における出店をコントロールし、中心市街地の空洞化を避け、商業や地域コミュニティーの維持を政策として行ってきました。大型ショッピングセンターの車で行ける利便性や時間を消費できる環境など、時代のニーズに沿った運営をされていることは否定するものではありません。しかし、本市のすぐ近隣で度が過ぎると思われる開発行為によって確実に金沢の商業や商店街は衰退しています。まずは本市にも危機的状況であることを認識していただきたいと思います。各商店街や商店もさらなる連携をし、消費者ニーズの変化へ対応していく自助努力を行うことが非常に大切です。あわせて、本市は近隣市町の大型店出店の開発行為に対して、石川県全体の健全な商業環境のあり方を県や近隣市町に連携を呼びかけていくべきではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。 現在、全国的に元気をなくしている商店街ですが、本来は地域のにぎわいの場、交流の場として、日常の消費活動はもとより、地域コミュニティーを醸成する大切な役割を担っています。そこで、今後、本市が集約形成都市を目指し、地域の拠点性を生かしたまちづくりを進める上でも、高齢者や買い物弱者のライフラインの保全や地域コミュニティーの活性化という観点から官民連携の取り組みを充実していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 金沢は今までにない時代の転換期を迎えています。このまちは何を大切にしていくのか、このまちは何を選択し、何を選択していかないのか、市長には信念を持ったかじ取りをお願いし、この質問を終わりにいたします。 次の質問は、金沢版総合戦略の進捗と検証についてです。 まち・ひと・しごと創生法に基づき、国の総合戦略と金沢市人口ビジョンを踏まえ、人口減少社会にどう立ち向かうかの計画として平成27年10月に策定された金沢版総合戦略ですが、その推進期間は平成27年度から平成31年度の5年間です。今年度平成29年度は折り返し年度となるため、ことしを含め残り後半3年間のPDCAサイクルを強化し、目標を達成していくためにも、現状の把握や検証をしっかりと行う必要があります。本市の世界の交流拠点都市金沢重点戦略計画とは別物ではありますが、重点戦略計画をベースに作成され、お互いの施策が関連性を持つため、単なる国からの補助金をもらうためだけのものとせず、本市にとっても大変重要な取り組むべき計画として向き合うべきです。本市として大きく4つの基本目標のもとで55の施策とそれらを評価するための数値目標である重要業績評価指標KPIが設定されていますが、現在における目標値やそのKPIに対して、総合的な進捗状況と自己評価、課題等を山野市長にお伺いいたします。 この総合戦略で本質的に問われていることは、人口減少社会が突きつけるさまざまな課題を解決していくために、私たちが住んでいる金沢の振興とは何か、地域や都市のこれからの成長とは何か、市民の幸せとは何か、この問い直しをPDCAの中で繰り返すことであると私は考えます。間違っても国や内部に対して結果が美しく見えるように迎合的評価をせず、金沢の未来のために評価し、行政だけではなく議会や市民も含め全員でしっかりと施策を前進させていくべきです。市長の提案説明にもありました。ことし、地方自治法施行70周年の節目を迎えます。これから真の地方分権を目指す牽引役の地方都市として何が必要か、山野市長にお伺いをし、この質問を終わりにいたします。 最後の質問は、二宮金次郎像と道徳教育についてです。 ことしの3月、田上小学校に40年ぶりに二宮金次郎像が復活しました。学校の倉庫に長年保管されたままになっていたため、今の子どもたちに地道に努力する大切さを学んでほしいという地域の児童委員の方の思いが広がり、町会や公民館、学校側や育友会が主体となって、お金を出し合い、復活が実現しました。田上小学校の歴史では、初代の二宮金次郎像が昭和12年に除幕式を挙行した資料もあり、復活した現在の像は2代目となります。そして、設置して終わりではなく、児童たちや地域住民への啓蒙が大切であり、その教えをパネルとして学校の玄関に配置し、今後、勉強会等も考えているそうです。小学校の統廃合が進む中で、その移設などの費用や働きながら勉学に励む姿は時代にそぐわないなどの理由から全国的に姿を消している金次郎像ですが、至誠・勤労・分度・推譲の教えは現在の日本が忘れかけている大切な道徳の教えではないでしょうか。大人になった私たちも大きな学びがあります。そこで、現在、市内の小学校何校に設置されているのでしょうか。そして、道徳教育の推進という点で教科書にも記載のある二宮金次郎について、像の設置を支援、推奨できないかをお伺いし、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○黒沢和規議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 3番小間井議員にお答えいたします。 観光施策について、攻めと守り、さらには量と質という言葉でお尋ねになられました。 先般、これもお話ありましたけれども、影響検証会議にいろいろ議論していただきました。攻めという言葉で言うならば、やはり金沢の個性、魅力に磨きをかけていくということに尽きるのではないかというふうに思っています。そして、それを御理解いただける方を中心に発信していく。それが攻めの部分になってくるかというふうに思います。守りという意味では、観光客がたくさんお越しいただくのはそれは大変うれしいことではありますけれども、市民生活に影響も及んでいるところであります。私は、さざ波という表現を使っておりますけれども、やはり市民生活があった上でのまちであり観光であるというふうに思っていますので、観光と市民生活が共存共栄するバランスをしっかり守っていく、考えていく、それが守りだというふうに思っています。 量と質ということでお尋ねをいただきました。たくさんの方がお越しいただく、それは大変うれしい。うれしいんですけれども、これから金沢市として発信をしていく観光施策としては、例えば、言葉で言うとするならば、いつでも、どこでも、誰にでもから、これから質、今だけ、ここだけ、あなただけ、そのことを念頭に置いた観光施策をつくっていくことが大切だというふうに思っています。私は2010年に市長に就任いたしました。新幹線開業が5年後、もうわかっておりましたので、観光部局の人間といろいろと話をしました。新幹線開業がわかっておりますから、ターゲットは首都圏、金沢の魅力を理解していただく富裕層の方、そして女性の皆さんに楽しんでいただけるまちにすることが必要だ。そんな観点から、首都圏、富裕層、女性に絞った形で観光施策を打っていってもらいました。いま一度改めて、今だけ、ここだけ、あなただけ、そんな思いで、限られた予算、限られたマンパワーを有効に使っていきたいというふうに思っています。 宿泊税検討プロジェクトのことですけれども、先月、関係課からなりますプロジェクトを設置し、東京都や大阪府の制度、また、現在導入を検討している京都市の状況等について調査を開始いたしました。来月にはアドバイザーに就任いただいた有識者によります講演会を開催することにしておりまして、引き続き、導入に向けた検討を進めてまいります。 京都市の例をどのように捉えているのかということでした。小間井議員がおっしゃったとおりだというふうに思っています。京都市もたくさんの方がお越しいただくことによってうれしい側面がある一方、来街者の増加による交通渋滞、交通機関の混雑、宿泊施設の不足、さらには市民生活に及ぼす影響等々を解決すると同時に、都市の品格や魅力を高め、来街者と市民双方の満足度を高める取り組みを推進していくためにも、安定的かつ継続的な財源が必要との考えから検討されているとお聞きしています。8月に検討委員会から答申がなされるとお聞きしております。大いに関心を持っていきたいと思っています。金沢市におきましても、都市のレベル、大きさは違いますけれども、市レベルでの導入の検討であるということ、また、東京都や大阪府は観光に特化したものだというふうにお聞きしておりますけれども、京都市や金沢市は市民生活への影響に係る対応ということも踏まえまして、本市と大変類似もしておりますので、先ほど申し上げましたように大いに関心を持っているところであります。 地元産業の活性化、本市の雇用の特徴といたしましては、お土産関係に代表される卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業が雇用の最大の受け口となっていることが挙げられます。なお、それらを支える製造業についても、事業所数は減少していますけれども、本市の雇用を支える大きな基盤となっています。産業別の売上高だけを見ますと卸売業、小売業が最も大きいものではありますが、稼ぐ力の指標であります労働生産性という観点からは製造業が1位であります。特に、製造品出荷額等の最も高い生産用機械製造業が重要な基幹産業であると考えています。 本市が行っている地元産業の活性化策ですけれども、経済基盤の安定が欠かせないという視点から、国・県や支援機関、大学等と連携し、相談体制の充実を図るとともに、市工業団地連絡協議会を通し、加盟企業間の連携強化や工業団地の活性化を図っています。また、企業誘致も地域の雇用や生産性の向上に大きく影響しますので、工業団地への高度技術産業や試験研究開発機関など、付加価値の高い産業の誘致や企業集積を積極的に進めているところであります。また、県外で活動中、活躍中のクリエーターの皆さんが市内で新たに活動拠点を設ける際の経費を支援することで、すぐれたクリエーターの進出を促しているところであります。さらに、IT関連分野を中心に技術革新が飛躍的に進歩しておりますので、お話もいただきましたITビジネスプラザ武蔵をIT関連企業やクリエーティブ産業の拠点施設と位置づけ、今年度からですけれども、IT、デザイン、経営分野の専門家3名を当館事業のディレクターに任命し、相談業務やイベント開催等に携わっていただいています。また、小学生向けのプログラミング教室を1回当たり100人で年5回開催するなど、新時代を担う専門的人材の育成にも積極的に取り組んでいます。今後もイベント開催や情報発信等により利用者の拡充に努めるとともに、多様な業種の人材がネットワークを構築していくことで付加価値を生み出し、新たな産業の創出につながるような機会の提供に努めてまいります。 人材不足への対応についてですけれども、これまでも大都市圏に進学した学生のUJIターン就職を支援してきたところであります。今年度は、学生や保護者を対象とした就職セミナーの実施回数、開催地、対象学校を拡充するなど、学生の地元企業への就職支援を強化していくこととしています。また、新たに県外から意欲と能力のある女性を採用する金沢市女性活躍トップランナー企業を支援していくほか、若手社員の離職防止を目的としたセミナーを開催するなど、雇用の創出や定着に係る取り組みを進めてまいります。加えて、関係機関と連携しながら高齢者の就職先の確保、障害のある方へのジョブコーチによる就労支援やマッチングを行うなど、多様な人材の能力が発揮できるように努めてまいります。 工芸や文化の後継者のことについてですけれども、金沢美術工芸大学、卯辰山工芸工房は、間違いなくインキュベーション施設になっているというふうに思っています。卯辰山工芸工房の研修者奨励金制度を初め、工房開設や新製品開発のための充実した支援制度を有しています。また、金沢・クラフト広坂、さらには、dining gallery銀座の金沢における販売機会の提供など販路拡大にも支援をしており、あらゆる人材の段階に応じ多様な施策を講じているところであります。 芸能の文化ですけれども、担い手となります新花さんへの就業奨励金、おかみさんへの育成奨励金、さらには、市指定無形文化財であります素囃子や加賀宝生の伝承者に奨励金を交付しているところであります。何といっても、人が命であります。次代を担っていくためには、人材の育成、裾野を広げていくということを欠かすことはできません。しっかりとその後継者の育成にも力を尽くしてまいります。 健全な商業環境の形成のことについてお尋ねがございました。平成14年、金沢市商業環境形成指針をつくらせていただきました。中心商店街と郊外の商業地域のバランスに配慮した良好な商業環境の形成に努めてきたところであり、一定の成果があったものというふうに思っています。ここに来て、多くの県、多くの近隣自治体で大規模ショッピングモール等々の動きが見られるところであります。各市町、さまざまな事情の中でお取り組みになっていらっしゃるのではないかというふうには思いますけれども、私は、やはり県全体の健全な商業環境を守っていく、つくっていくことが大切だというふうに思っています。金沢市としてなし得る限りのことはこれまでもしてまいりましたし、これからもしっかりとしていきたいというふうに思っています。近隣の市町に対しては、一義的には石川県のほうで広域調整について御理解いただけないか、そういうことも意見交換していきたいというふうに思っていますし、引き続き、商店街の皆さんとも相談、意見交換をさせていただければと思います。 地域コミュニティーとして商店街の役割が大きいのではないかということでした。私も全く同感であります。本市といたしましても、地域の課題解決を図るコミュニティビジネスへの支援、コミュニティー機能を強化する出店の促進、若手人材を養成するチャレンジ事業の実施に加え、ことしの10月からは、顧客の獲得や地域内消費の拡充につながる商店街等クーポン事業を実施するなど、商店街が活性化する取り組みを支援してまいります。 金沢版総合戦略のことについて何点かお尋ねがございました。 進捗状況ですが、金沢市人口ビジョンをまず実現するため、出生率向上に向けた子育て環境の充実や若年層の定着につながる学都金沢の推進などを目標に掲げるとともに、数値目標やKPIを設定しているところであります。昨年までの取り組みはおおむね順調に進捗しているところでありますが、長期的な視野に立って継続的に取り組む必要がありますことから、引き続き多面的な施策を講じることにより、人口ビジョンの実現を目指してまいります。 行政だけではなく、議会や市民も含めた形で進めていくべきではないかということでした。私も全く同感であります。施策の推進に当たっては、行政だけではなく、議員各位、市民の皆様の協力が不可欠であります。学識者や産業界、民間団体等の有識者で構成します推進委員会において進捗状況を検証するとともに、議会の皆さんに御報告をさせていただきながら意見をいただいているところであります。引き続き、議会や市民の皆様と情報や課題の共有を図りながら施策の推進に努めてまいります。 私のほうからは以上です。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 二宮金次郎の像の設置状況と今後の像の設置に対する支援、推奨についてお尋ねがございました。二宮金次郎の像は、現在、23の市立小学校に設置されているほか、今年度、旧野町小学校にある像を泉小学校に移設することといたしております。今回の田上小学校での二宮金次郎の像の設置は、孝行、勤勉、努力などの大切さについて子どもたちに学んでほしいとの願いから、地域の方々の主体的な取り組みによって実現したものであり、学校としてもその思いを受けとめ、今後の教育活動に生かしていってほしいと考えております。今回のような地域の取り組みに対しましては協力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○黒沢和規議長 25番森一敏議員。     〔25番森 一敏議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆森一敏議員 みらい金沢の一員として、以下、御質問をさせていただきます。 まず第1は、台湾統治時代の歴史認識をめぐって意見を交わさせていただきたいと思います。 4月16日に台南市の烏山頭ダムで八田與一技師の銅像の頭部が切り取られるという損壊事件が起こりました。日台友好の象徴的な存在であった銅像の損壊は内外に衝撃を伴って報じられました。私も衝撃を受けた者の一人です。私自身も、かつて市議会訪問団の一員としてこの地を訪れ、嘉南平原を潤すダムの威容を視察させていただきました。その際の大変な歓待、そして、今日においても台南市民から恩人として慕われる八田技師の人柄に思いをはせたことも思い起こされました。まず伺いますが、市議会議員のときから八田與一技師の顕彰と交流活動にかかわってこられた山野市長は、この銅像損壊事件をどう受けとめておられますか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 森議員と同じように、私も衝撃をもって受けとめました。すぐ幾つかの報道が取材にいらっしゃいました。私は、そのときに申し上げたのは、大変残念な事件ではあるけれども、このことによって金沢市と台南市、日本と台湾の信頼関係が崩れることは決してないというふうに申し上げさせていただきました。その後、私は墓前祭に参列させていただき、その前日に行われました修復除幕式にも参列させていただきました。そのときに改めて今ほど申し上げたことを挨拶の中でも申し上げさせていただきましたし、台南市の頼市長からも同様のお言葉をいただきまして意を強くしたところであります。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 私も、両地域間の友好促進、これは非常に重要なことだという大前提のもとでお尋ねしております。 次に、市長は、今も地元紙の取材に応じられたということなんですが、誤解があるなら誤解を解いてほしいと、このようにも述べておられるわけです。どのような意味をこの言葉に込められたんでしょうか。
    黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 八田技師の銅像は、ダムが完成した後、ダムをつくった従業員の皆さんや農民の皆さん、水利会の皆さんが、八田技師に自分たちがつくりたいというふうに申し入れをしました。そして、関係者がみずからお金を集めてつくった銅像が八田技師の銅像であります。戦争が終わって、蒋介石の指示のもと日本統治時代の銅像や碑というものは撤去されましたが、今ほど申し上げた経緯でつくられたものということもありまして、水利会の皆さんはいろいろ経緯がありながらもしっかりと守っていきながら、1981年に改めてダムを見渡す丘の上に銅像をつくられました。決して当時の日本政府や台湾政府の指示や予算でつくったものではありませんでして、あくまでも地元の皆さんの厚意からつくられた銅像であります。そのことについてもし御理解がいただけていないとするならば、そういう誤解を払拭してほしい、そんな思いで申し上げさせていただきました。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 誤解というものの中身、ちょっと明確でなかったですね。誤解とは何を指していらっしゃるかということ。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 犯人というふうにあえて明確に申し上げますけれども、犯人がおっしゃるには日本統治時代の日本美化を否定するんだというふうに報道がなされておりました。それはあくまでも、繰り返しになりますけれども、その銅像は当時の日本政府や台湾政府がつくったものではなくて、あくまでも現地の農民の方たちがつくられて、そして、撤去を命じられた後も水利会の皆さん、農民の皆さんが、当時の日本政府や台湾政府の意思と関係なく、みずからの意思で守って、そして1981年に設置したということです。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 誤解というのは、そこに台湾の農民の方たちの思いが込められて設置され、今日まで守られてきたんだと、そのことに対する理解がなされていないんじゃないかと、こういうようなお話だったと思います。 私は、実行した人の肩を持つわけではもちろんないんですけれども、その行為について肩を持つわけではないんですけれども、この日本統治時代の事業とか、あるいはそこで活動、働いた方たち、これをどういうふうに評価するかということについては非常に多様な意見が実際にはあるわけです。これを誤解と言って済ませていいかどうかということは私は疑問があるんです。 例えば、1つ紹介いたしますけれども、今、農民の思いということをおっしゃったわけですが、これは何義麟さんという台北の師範学院の助教授の方が書かれた中で述べているんですが、大戦後、台湾人の対日感情の展開によって、大戦後、非常に複雑な歴史的な経緯をたどりますね。そのことを指していると思います。台湾人を二等国民として差別扱いした日本の植民地支配の過去が、国府政権の腐敗で塗り潰され無罪放免となることはないと思う。同様に、八田與一を今でも慕う台湾農民の民情を利用し植民地支配を肯定することも許される行為ではない。このように言及されているんですね。これをどんなふうに受けとめられますでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 森議員がみずから多様な考え方があるというふうにおっしゃいました。そういう考え方の方もいらっしゃるんだろうというふうに思って今お聞きしました。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 八田技師のダム建設がいかに偉業であり、その人格が高潔であっても、それが日本の植民地統治の時代であったことは紛れもない歴史的事実です。今回の事件は台湾の独立をめぐる政治的対立が背景にあるとも見られておりますけれども、実行者の動機に、おびただしい犠牲者を生み出した日本の統治時代を否定する歴史認識が不可分に結びついているように私には思われます。市長御自身は烏山頭ダム建設時の歴史をどのように認識しておられますか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 烏山頭ダム建設時の歴史という、これはちょっと大事な、森議員は政治家であると同時に教育者でもありますので少し丁寧にお答えさせていただきます。歴史的事実とおっしゃいましたので。 日清戦争が終わりまして、日清講和条約が締結をされました。台湾が清国から日本に割譲されました。その後、三国干渉等々がありましたけれども、台湾の割譲はそのままでありました。つまり、台湾の日本統治というものは、当時の国際条約、国際慣習において合法的に行われたものであります。もちろん複雑なさまざまな心情を持つ方はいらっしゃるというふうに思いますし、森議員がその心情に対して思いをはせる、その善意を決して私は疑うものではありません。ただ、歴史的事実としてその事実があるということをまずは御理解いただければというふうに思っています。 そして、八田技師のダム建設を偉業というふうにおっしゃいました。高潔な人格ということもおっしゃられました。高潔な人格を持った八田技師がリーダーとしてダム建設等々を行いました。ただし、そのダム建設は八田技師のポケットマネーで行われたわけではありません。当時の日本国政府が日本の国会で予算を決めて、その予算の中で日本国の意思として、森議員のおっしゃる偉業がなされたところであります。もちろんそれは、これも森議員がおっしゃったように八田技師の高潔な人徳によるところも大変大きかったところはありますけれども、やはり歴史的事実としてそのこともしっかりと御認識いただければというふうに思っています。 もう1つ、大変気になったのは実行者という表現を使われました。明らかに犯罪です、今回の件は。水利会の敷地内に深夜侵入いたしました、犯人は。深夜侵入して、水利会の持ち物である銅像を損壊いたしました。明らかにこれは犯罪であります。だからこそ、頼市長も明確にその犯人をすぐ捕まえてほしいということをおっしゃっておられて、すぐ逮捕されたところであります。森議員は前提に、犯行という表現をあえて使いませんでしたけれども、行為そのものを肯定するものではないというふうにおっしゃいましたので、私はちょっとほっとしているところではありますけれども、やはり今の御質問や御質問の意図に対して、幾らかでもその犯罪に対していろんな背景があるかもしれない、心情的なものがあるかもしれないけれども、その犯罪に対して幾らかでも、ほんの少しでも理解を示すようなことがあるとするなら私は大変残念だなというふうに申し上げさせていただきたいというふうに思っています。私の歴史的な、烏山頭ダム建設の歴史をどのように認識しているのかということは、今、この3点目の犯罪は別にして、1点目と2点目のことについて、その御答弁とさせていただきます。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 私が実行者と表現したのは、その後の捜査とか、あるいは立件とか、最終的な処罰ですね、そこに至っている過程について私は十分な情報がありませんので、言葉を慎重に選んだというふうに理解ください。 今お話があった歴史的な経過、日本の帝国議会でこの建設を決めているんです。これは歴史的事実です。この目的はどこにあったと御認識されていますか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 台南地方は、雨が降って初めて耕地ができる土地でもありました。八田技師に課せられたテーマは、その地を緑豊かな沃地にするということでありました。そのままできるかどうかはともかくとして、八田技師はいろいろと調査された上で、その報告書を、順序を追って国会に提出して予算がお認めをいただいたものであります。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 私が伺ったのは、その目的ですね、何のためにです。ですから、嘉南平原を潤す、これはもちろん目的なんですけれども、それは何のために嘉南平原を潤すというふうに目的が立てられたかということを伺っているんです。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 当時、台湾は日本の統治領でありました。日本国でありました。その統治していた国を豊かにするのは当然のことだというふうに思っています。そのことを八田技師はもちろんのこと、新渡戸稲造、後藤新平につながるラインの中で共通理解を持って取り組んだことであります。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 ちょっとずれている。私とはずれていますね。 それはどういうことかといいますと、冒頭の答弁で当時の国際環境にのっとって合法的に統治下にしたと、植民地経営を行ったということを前提に考えていらっしゃるわけです。そのことからすると、今の御答弁は日本国の経済のためにこのダムをつくったというふうに受け取れるわけです。ところが、台湾においては農民のためにこのダムを建設したという受けとめがあるんじゃないのかと。この辺はどういうふうに整理されるでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 合法的に対応がなされたところであります。台湾は当時、日本の統治領でした。台湾に住んでいる方たちを豊かにすることは、それはそのまま日本を豊かにすることであります。当時はその価値観の中で取り組んだことであります。当時の価値観であります。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 当時そのような価値観であったということはそのとおりです。私もそれは認めます。ただ、その歴史を継承して今どのように認識して、そして将来につなげていくかということになると、それは同義ではないというふうに私は思います。 参考までにちょっと申し上げておきますけれども、帝国議会で決定して、そして1920年から建設の準備が始まって、工事が完成したのが1930年。問題の米ですね、米の増産、その増産されたお米がどのように取り扱われていったかということが非常にこのダムの性質を見る上で重要ではないかと思っているので、少し御紹介するんです。完成は1930年ですが、その年以降にこのダムの効果があらわれたと思われる数字があるんです。それは台湾の総督府がつくった台湾米穀要覧という資料に記されている数字なんです。これを見ますと、1926年からの数字が並んでいるんですけれども、そこと比較をすると、最終的にダム建設以降、1938年になると981万石ほどの増産に確かになったんです。対日輸出量というものがあるわけです。この対日輸出量というのが497万石ほどに増大しております。これを比較すると2.3倍の増なんです。増産量は1.5倍増、輸出量は2.3倍増。そして、これらの輸出の分を引き去って実際に台湾に残ったお米、これがどんなふうに推移しているかということも数字が記されておりまして、81万9,000石というのが1938年、最終年度の数字なんです。ほとんど日本にそのお米は輸出されているというのがこのダム建設後の米の増産の実情、内実というふうに資料で裏づけられているわけなんです。そういう意味では、確かに市長がおっしゃった日本のためになったという言い方は正しい。けれども、統治されていた側の人々の暮らしとか、そういうことを向上させるためにこのダムがつくられたというふうに置きかえてしまうと間違いが起きるのではないかと私は指摘したいと思います。その辺いかがでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 当時、農民の皆さんは当然お米を売って収入を得ていたわけであります。台湾で召し上がっていることもあれば、当時の本州のほうに送ったこともあるかもしれませんけれども、そうやって台湾の農家の皆さんの安定した生活の一助となったことは間違いないんだというふうに理解しています。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 新大統領に就任した韓国の文在寅大統領は、抗日独立運動や朝鮮戦争、ベトナム戦争など国のために犠牲になった人を追悼する顕忠日、この式典で演説をしまして、かつての軍事独裁政権を念頭に、愛国の歴史を統治に利用した不幸な過去を繰り返さないと述べました。これは歴史に対する向き合い方、これを演説の中で述べられたということだと思います。立場が逆転する、日本ですね、先人の業績が近代史の全体像から切り離され、愛国心醸成や負の歴史の美化、正当化に利用されてきた。そういう傾向が強まっているんじゃないかということを私は懸念しているわけです。八田技師が残した言葉から、御自身がそうした対象となることは望んでおられないだろうと私は推察しております。 本市のふるさと偉人館での八田與一技師の展示内容、教育委員会の偉人教育における教材内容、さらには、中学校で使用されている育鵬社の歴史教科書での記述においても植民地統治の時代背景が抜け落ちているという点で共通しているんじゃないかと思うのです。歴史修正主義に陥らず、友好交流を拡大深化させる基礎に植民地統治時代に向き合う冷静な歴史認識を据える必要を感じます。そうした観点から、八田技師に関する顕彰、継承、教育のあり方、これらを見直すべき、あり方を見直すべきではないかと私は思いますけれども、市長並びに教育長の見解も伺っておきたいと思います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今、台湾はいわゆる民進党政権であります。報道によりますと、その前の総統の馬英九総統がいらっしゃる国民党政権は、民進党政権よりも日本に距離があるというふうに報道はなされているところでありますけれども、その馬英九総統も八田技師の墓前祭に参列されました。そして、八田技師や多くの方たちに感謝のお気持ちを述べていらっしゃいました。それだけではありません。当時の八田技師がお住まいになっていた、従業員の方がお住まいになっていた宿舎の再興であったりだとか、また、当時は映画館やダンスホールやテニスコートがあったわけですけれども、そのうちテニスコートの復興も馬英九総統は決断なされました。また、今ほど教科書のお話をされましたけれども、台湾は御存じのとおり国定教科書であります。中学校の教科書の中に八田技師のことが、何ページとは言いませんけれども何行にもわたって書かれているところでもあります。決して、歴史修正主義という表現も使われましたけれども、日本の一方的な思いではなくて、今ほど申し上げましたように台南市の頼市長を初め、前総統の馬英九総統、そして中学校の教科書の事例から見ても、私は適切に御理解いただいた上でなされていることだというふうに思っていますし、偉人館の顕彰というものも私はこれでいいんだというふうに思っています。決して偉人館は八田技師のためだけのものではありませんから、多くの先人のことを学ぶ、そんな場に偉人館にさらになってほしいというふうに思っています。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 八田技師につきましては、小学校4年生の金沢ふるさと学習の題材として多くの学校で現在取り上げられております。八田技師は、烏山頭ダムの建設によって不毛の土地であった嘉南平野を、工事にかかわった台湾の人たちと日本人を分け隔てることなく大事にされたことから、今でも多くの方々に愛され、尊敬されております。私も縁あって3年間台湾で生活をさせていただきました。居住した場所は台北でありましたけれども、その台北にいたときに多くの方々と交わり、この八田技師についてお話を伺ったことがあります。大家さんは大変すばらしいことをなし遂げてくださった、すばらしい方だよとおっしゃいましたし、また、嘉南平野南部のほうの収穫が多くなったことに対して今でも感謝している、そんな言葉も多く聞くことができました。子どもたちには、こうした人のために尽くしてきたという視点で八田技師の生き方に触れることで、金沢の偉人に愛着と誇りを持つ機会にしてほしいと考えており、現在のところ見直すつもりはありません。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 それが御当局の考えですから。私は、日本は統治した側ですので、統治された側には表にあらわれないものも含めて多様な受けとめがあるということです。それが今回の不幸な事件に発展、あらわれてしまったのではないかと、私はそのように謙虚に歴史を受けとめていくということが必要ではないかなというふうに思っておりまして、そのことは御指摘させていただきたいと思います。 時間が押しておりますので、次の、教科書採択の手続に関して質問いたします。 かつての日本の軍国主義教育の反省から、修身の復活を懸念して教科から外されてきた道徳が、安倍教育改革の中で教科とされました。さらには、来年度から教科書が使用されることになりました。その初めての教科書検定の結果が報じられました。非常に細部にわたって検定意見が付されたこと、パン屋が和菓子屋に変わったり、杉原千畝の命のビザ発給を制止した外務省の背後にあった日本とナチスドイツの同盟関係が削除されるなど、教科書会社のまさに忖度ぶりも、私自身、資料から確認してまいりました。評価を伴う道徳の教科化と検定教科書の使用が子どもの内面に国指定の価値観を注入するという懸念を案じております。そうした中で、今回、本市教育委員会の初めての小学校道徳教科書を採択します。そこで、まず、初めての採択に当たっての基本的な考え方、採択手続をどう進めていかれるか伺います。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 特別の教科、道徳の教科書採択に当たりましては、石川県教育委員会の採択方針を踏まえ、本市の施策や児童の実情に応じた教科書を採択することが大切であると考えています。採択手続につきましては、道徳を研究している教員からなる教科用図書調査委員会の報告や市民の意見等を踏まえ、有識者や保護者、学校関係者からなる教科用図書採択委員会において審議がなされ、教育委員会に答申されることになっております。教育委員会では、答申を受け、全ての教科書の内容について慎重に審議し、公正かつ適正に教科書採択を行うことといたしております。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 特定の教科と位置づけられた道徳の授業で最も重視することは何なんでしょうか。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 児童の実態や発達段階に応じて、問題解決的な学習や体験的な学習などを取り入れて、考え、議論する道徳への転換を図ることによって、児童・生徒の道徳性を育むことが重要であると考えております。そのためには、特定の価値観に基づいた結論へと導くような授業ではなく、正義とは何か、権利と義務とは何だろうなど、答えが1つではない課題を子どもたちに投げかけ、子どもたち自身が考え、議論する道徳へと質的な転換を図っていくことが大切であると考えております。道徳の授業におきましては、教師がそれぞれの内容項目につきまして、教えることを明確にして授業を構成し展開することが大切であり、考えさせ、納得させ、本質的な理解につなげていく授業が行われることを期待しております。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 考える道徳、結論ありきではない道徳ということが重要であるというお答えは、私もそのとおりではないかなと思っています。それにふさわしい教科書というものを慎重に選んでいかなければいけないだろうと、そう思っています。 そこで、一昨年の中学校の教科書採択、手続において、採択手続の透明性と市民への説明責任の果たし方が問われたと思います。静ひつな環境で教育委員の権限と責任において採択すべしと文科省は今回も通知しておりますけれども、同時に、保護者、市民への説明責任を果たすことも求めております。私が把握した限りでも、東京の町田市、大田区、板橋区は、採択時の教育委員会会議を公開し、発言した教育委員名を明記した議事録を公開しております。道徳の教科書採択に当たって、本市も公開のもとで十分に透明性を確保し、説明責任を果たすよう求めます。教育長の見解を伺います。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 教育委員会会議等における教科書採択の審議経過におきましては、意思形成過程であり、静ひつな採択環境の中で自由闊達な議論を行うことや、公平性、中立性を保つ必要があることから、会議の公開については考えておりません。なお、議事録は既に公開しておりますが、教育委員名の明記など、そのあり方につきましては今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 多くをやりとりできないのですけれども。静ひつな環境で中立のもとで採択が行われると、そのことは誰も否定されるものではないと思います。そのことを非公開にすることによって、密室の中で決められていくというふうに懸念をする市民の意向というものもあるんです。そこはやはりもう一度きちっとしんしゃくして、公開性のあり方について再検討すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 会議の公開等に当たりましては、その発言等によって今後の委員としての活動に影響を及ぼすおそれがあるため、個人の発言を制限することにつながることも考えられますので、今後、慎重に研究しながら、あり方について考えてまいりたいと考えております。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 同じ文科省通知のもとで公開について判断している他の委員会もあるわけです。総合的に判断されているんだろうと思います。ぜひ再考を求めておきたいと思います。 それでは、第3の質問に移ります。護憲集会の市庁舎前広場使用不許可処分に関してです。 本市は、市民団体憲法を守る会が憲法記念日に護憲集会を開くために行った市庁舎前広場使用許可申請に対して不許可の処分を行いました。この不許可処分が憲法の保障する表現の自由、集会の自由を侵害するものではないかと複数の全国紙やテレビ局が取り上げるなど、その行方に注目が集まっております。これに先立ち、年度末に市庁舎前広場改修工事を終えましたが、その改修コンセプトを、市長は、市民が描く白いキャンバスと形容し、市民の活発な利活用を呼びかけておられます。そこで、不許可処分は市庁舎前広場改修のコンセプトと矛盾しておりませんか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 コンセプトは、今、森議員がおっしゃったとおりで、市民が描き上げる白いキャンバスのような広場、そして、にぎわいにつながっていってほしいということであります。もう1つつけ加えるならば、バリアフリーという観点がこれまで余りありませんでしたので、そのことも配慮させていただいたものだというふうに理解しています。 今回の庁舎前広場は、いわゆる公の施設ではありません。市庁舎と一体となった公用財産として管理すべきものであり、公用財産にふさわしい範囲で市民の利用に供することが必要なことでありまして、特定の個人及び団体等の主義主張や意見等に関し賛否を表明する集会等の開催または示威行為を行われる開催につきましては、庁舎等管理規則に基づき許可をしなかったものであります。改修のコンセプトとは矛盾しておりません。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 今回の不許可処分は、3月21日付で改正した市庁舎等管理規則に基づく判断と説明されてきました。2年前の4月に、広場管理に特化した市庁舎前広場管理要綱、こういうのがありましたが、これを廃止し市庁舎等管理規則に一本化しましたが、その理由は何でしょうか。また、現行の管理規則には憲法上の集会の自由との整合性はどう考慮されているんでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 庁舎前広場の管理に当たりましては、これまで御指摘ありましたように庁舎等管理規則と庁舎前広場管理要綱を設けていましたが、広場の改修を視野に、広場の使用方法を市民にわかりやすく示したいというふうに思っています。先ほど申し上げましたように、市民の皆さんのにぎわいに資するためにも、やはり市民にわかりやすく示すために庁舎等管理規則に一元化したものであります。先ほど申し上げましたが、この広場は市庁舎と一体の公用財産でありますので、それにふさわしく、市庁舎の建物や広場の管理上支障がないというふうに判断された場合に認めさせていただいていることを御理解いただければと思います。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 今、廃止、一本化された庁舎前広場管理要綱が私の手元にあります。これは今おっしゃったように支障のない範囲という前書きはありますが、原則として、市民の利用に供させるものとするという第3条が規定されているんです。そして、第7条に、加えて、公共的な目的のためのものであると認めるときは許可することができるという文言が条文として入っていたわけです。 私、この要綱と現行の管理規則と比較しますと、要綱のときは、広場--公用物とおっしゃいましたけれども、公共的空間、この側面をより重視して、支障というものがない範囲でこれは市民に提供するんだという考え方を要綱という形で示していたなと思うのです。これが後退したんではないかなと私は思うのですが、違いますか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほど申し上げましたように、市民の皆さんへわかりやすくするために、一本化して今回の市庁舎等管理規則とさせていただいたものであります。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 私は、市庁舎前広場のまさに公共空間という意味合いを、この一本化によって著しく制約のもとに置いて、それを後退させたと。そのことは否定できないんじゃないかなと改めて申し上げておきたいというふうに思います。 その上で、現行の管理規則ですが、第5条で14の禁止行為を列挙しております。第6条で市長による許可行為が規定されています。その許可判断の基準となる理念、これはどこに置かれていますか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 何度も同じ答弁になりますけれども、市庁舎と一体の公用財産に当たることになりますので、特定の個人及び団体等の主義主張や意見等に関し賛否を表明する集会の開催に使用することにつきましては、庁舎等管理規則第5条第12号で認めないこととしているところであります。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 私は、その管理規定にそうした禁止行為をどのように位置づけるか、そしてそれを運用するか、そのことが問われているんではないかなと考えているんです。 類似の問題に対する複数の確定判例とか公法学会の学説というものがありますが、表現の自由、集会の自由は基本的人権の核心をなすがゆえに上位に位置する。民主主義を成り立たせる上での根幹と位置づけられているんです。そこから施設設置の主たる目的かどうか、主たる目的、つまり、そこで市民がいろんな表現活動をする、それを主たる目的として設置されているかどうかを問わずという意味ですが、人が集える公共的空間の使用規制は、市民の権利侵害とならない範囲で抑制的でなければならないと書かれているんです。設置自体が唐突で、かつ、その性格も曖昧な庁舎前広場使用行為審査会--これはこの間、総務常任委員会で報告がありましたが、このこともあわせて、この間の経過にとらわれず、基本思想を集会の権利保障に転換した市庁舎等管理規則へと見直しを図るべきだと思います。それがリニューアルした市庁舎前広場のコンセプトにかなうものではないでしょうか。市長の御所見を伺います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 森議員おっしゃるように、私も表現の自由、集会の自由は極めて大切だというふうに思っていまして、そのことが認められる公の施設においては最大限認められるべきだというふうに思っています。ただ、何度も申し上げますけれども、あの広場は市庁舎と一体となった公用財産でありますので、そのことはぜひ御理解いただければというふうに思っています。また、適切な運用に努めていきたいというふうに思っています。 ○黒沢和規議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 その解釈ですけれども、管理規則、規則、規制というものを主に置くがために、公共的空間に本来的に求められている集会の自由、表現の自由、これを損なう結果になっているんだということの御自覚がちょっと足りないんじゃないかなという気がいたします。そこに私は憲法に基づいて行政を執行していくという立場の山野市長に対して懸念を持つわけです。いかがでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 何度も申し上げますけれども、私は表現の自由というものは大変大切だというふうに思っています。ただ、この広場は市庁舎と一体となった公用財産であります。きちんと区別して考えることをぜひ御理解いただければというふうに思います。 ○黒沢和規議長 所定の時間がまいりました。 以上で、25番森一敏議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手) 30番森尾嘉昭議員。     〔30番森尾嘉昭議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団の一人として、2つの点について質問いたします。 第1は、金沢プールでの人身事故の原因と責任についてです。 この3月25日、金沢プール内にある飛び込み用トレーニング施設で事故が発生しました。4月9日には金沢プールがオープンを迎えることになっており、その直前の事故でした。この施設を調整する目的で飛び込み選手が使用していたところ、中学1年生の女子選手が高さ1.5メートルの練習用の飛び込み板から深さ1.8メートルのピットと呼ばれるスポンジが敷き詰められた場所に着地したところ、スポンジをすり抜け、底のコンクリートに激突し両足を骨折するという重大事故が発生いたしました。私ども市議員団は、事故の発生後、現場を訪ねるとともに、市長に対して、けがをされた生徒への責任ある対応や原因調査と安全対策を申し入れました。市長は、今定例月議会の提案説明の中で、事故の責任は本市にあるとの認識を示されるとともに、負傷された生徒に対して市としてなし得る限りの対応をしていくと表明されました。今回の人身事故の重大性にもかかわらず、事故の調査体制も明らかにされないまま、断片的な経過だけが出され、疑問に対してきちっとした対応がされていません。市長、今回の事故について市にどのような責任があったのか、負傷された生徒に対して市としてなし得る限りの対応とはどんなことなのか、まず明らかにしていただきたいと思います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 金沢プールの事故のことについてお尋ねでした。まず、冒頭に、けがをした生徒さんの一日も早い回復を心から祈念させていただきます。今ほどおっしゃっていただきましたように、原因は市にありますので、市としてなし得る限りの対応をさせていただきたいと思っています。 経緯ですけれども、設計の段階で各関係者ともいろいろと意見交換をしまして、競技力向上のために必要な施設であるというふうに判断し、設置を決めさせていただいたところであります。当然、日本水連初め、飛び込みの関係者にもいろいろと意見交換をさせていただいたところであります。日本にない施設ということもありまして、その段階で日本水連のほうでも特別な決まりというものがありませんでした。いろいろと御助言もいただいて、先進的に取り組んでいる国の情報も集めながら、最終的に金沢市のほうで基準を決めて取り組んだところであります。ただ、今回、3月に事故が起きてしまいました。恥ずかしいことではありますけれども、その段階で日本水連がお決めになられた基準の存在を把握しておりませんでした。ピット基準は、ピットの底に厚さ0.3から0.5メートルのマットを敷くというふうになされておりました。その基準を把握しておりませんでした。そのことが今回の事故の最大の原因であるというふうに私どもは深く反省しているところであります。 先般、私も議会の提案説明でそのことを明確に申し上げて、当然議会の皆さんを含めた関係者におわびを公の場でさせていただきました。その後、御本人、当然未成年でもありますので、保護者にもお会いさせていただきまして直接おわびをさせていただきました。私のほうからも誠意をもった対応をさせていただきたいというふうに申し上げさせていただきまして、御両親からは市長のその言葉を信じるというふうにおっしゃっていただきました。ただ、逐次御連絡、御報告を密にしながら、信頼関係の回復に努めていかなければいけないというふうに思っているところであります。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 では、この飛び込み用トレーニング施設はどのように設置されたかと調べてみますと、当初の計画にはありませんでした。当初の計画は器具庫でした。しかも日本で初めての施設だと。では一体いつ、どのような経過で飛び込み用トレーニング施設となったのか明らかにしていただきたいと思います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 実施設計の段階で、競技力向上のために必要な施設であるというふうに判断し設置を決めたものであります。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 金沢プールは当初25メートルのサブプールはありませんでした。設置基準が変更されるということで、新たに25メートルのプールの建設となったものです。さらに、ワンコースの幅が2メートルだったものが、50メートルプールと同じワンコース2.5メートルの幅ということで建設を変更したものです。すると建物が拡張され、2階の部分が広がりました。これによって当初の器具庫の計画が飛び込み用トレーニング施設となったものです。当初からこの施設の計画があったものではありません。では、この日本で初めての施設だとするものが一体誰の責任で、どのように建設されたのか。競技団体が担当して、そこからの情報を集めて設計したというふうに説明をされています。とすると、市が責任を持って建てるはずの金沢プールの建設が、いつの間にかこの飛び込み用トレーニング施設は競技団体に任せきりで建設されたんですか。どうですか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 いろんな専門家の方の知見を総合的に集めながら、市が責任を持って判断したということです。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 市が責任を持って設計し建設したという形跡はありません。私が調べてみると、本市は平成29年3月14日付でトランポリン、スポンジなどの5件が契約どおり物品が納入されていたとする検査調書が作成されています。トレーニング室ピットとトランポリンの上に設置する装置についての工事も平成29年2月28日に確認が行われ、平成29年3月27日付で支出命令書が作成されています。したがって、用具と物品の設置に係るチェックは行われても、施設全体のトレーニング施設そのものの安全チェックをされたと裏づけ、証明するものはありませんでした。一体、それぞれのものや物品はチェックしたけれども、施設全体の安全対策と市として責任あるチェック体制は行われたんですか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 逐次議会にも報告させていただきながら取り組んでいるところでありまして、専門的な知見の部分は市として把握できるものではありません。きちんと専門家の皆さんと連携、連絡を密にしながら、最終的に市の判断で行ったというところであります。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 この施設が日本水泳連盟が示していた公認基準を満たしていなかったということが明らかにされ、飛び込み板からピットと呼ばれる1.8メートルの深さにスポンジが敷き詰められており、その場所に着地するのですが、その底にマットが敷かれていなかったという説明でした。この施設設置に当たって安全対策とチェックがされたのか、これを証明するものはありません。一体、スポンジが敷き詰められ、そこに着地する、その底にマットが敷かれていなかった。それだけが原因なんでしょうか。どのような調査と対応が行われたのか明らかにしていただきたいと思います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今ほど申し上げましたように、やはり最終責任は市がその基準を満たしていなかったということにあります。そして、3月下旬に中学生、高校生が石川県内の重立った選手でありますので、その選手の皆さんに練習を行っていただいたところであります。その過程の中でけがをしてしまいました。その責任も含めて、金沢市に最終的な責任があるというふうに認識しています。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 3月25日に、日本で初めて設置されたこの施設を調整する目的で飛び込み選手が使用していた際に事故が発生しました。事故の対応は救急車による医療機関への搬送ではありませんでした。しかも本市への連絡は事故発生から4日後でした。当日の指導に当たっていた方は自家用車のほうが早いと判断して救急車を呼ばなかった。骨折だと知りながら、重傷だとは思わず報告がおくれたと、こう述べたと報じられています。当日の対応は市の水泳連盟との説明が、後に県の水泳連盟だったと変わりました。市の職員が現場にいたのではないかとの指摘に対して、後に、当日指導していたのは本市の職員だが、県の水泳連盟の役員として携わっていたとの説明でした。事故発生時には金沢プールの館長がいたとのことです。さらに、この市の職員は新年度から本市のスポーツ振興の部署に配属されたとのことです。こうした状況からしますと、客観的に事故の原因と責任について検証するには、専門家を含む第三者からなる調査委員会が必要ではないでしょうか。市長の見解を求めます。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 第三者の評価委員会を設置することは考えておりません。当事者や多くの専門家の方の意見を丁寧に集約していきながら対応策を考えていきたいというふうに思いますし、確認できたことは逐次議会の皆さんにも御報告させていただきたいというふうに思っています。
    黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 指定管理者制度が導入され、昨年の12月定例月議会で議決されたものです。本市は5つの共同事業体と協定書を結んでいます。今回の事故を通じて、この指定管理のあり方と責任が問われています。事故の発生から3カ月が経過しましたが、いまだに指定管理者から説明や釈明が行われていません。裏返せば、指定管理者に金沢プールを安全に管理運営する責任と能力が問われる事態だと考えます。事故発生から4日後になって市への連絡がされるなど、危機管理体制の上からも欠如しているものと言わざるを得ません。そこで、この協定書の第18条ではどのように記載されていますか。担当局長の答弁を求めます。 ○黒沢和規議長 相川総務局長。 ◎相川一郎総務局長 指定管理者は速やかに報告をするという形のことが記載されているというふうに思っております。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 協定書の中には第18条で金沢プールでの事故があった場合は速やかに金沢市に報告しなければならないと明記されています。本市は、金沢プールの指定管理者が行う業務内容及びその範囲について、仕様書を示して契約を結びました。この仕様書の中に、指定管理者の賠償責任と保険加入を明記しています。ところが、3月25日、今回の事故発生の時点では保険加入がされていませんでした。なぜこうした事態になったのか、担当局長から説明を求めたいと思います。 ○黒沢和規議長 相川総務局長。 ◎相川一郎総務局長 指定管理者の業務につきましてはプール開設前からの業務が該当いたしますけれども、プール開設時までに保険を具備していればよいという形での条件になっていたと思います。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 そんな説明は詭弁です。指定管理を結んだ時点での仕様書に基づいてプロポーザルを行い、議決を経て指定管理が発生したわけです。したがって、指定管理者は結んだ仕様書及び協定書に基づいて履行しなければならない。その責任が発生しています。そうしてみると、今回の事故が発生した時点での保険加入をしていなかったという事実、協定書に基づく速やかな市への連絡を怠った事実、この点からも協定書に違反しています。したがって、指定の取り消しを明記した協定書第23条、金沢プールの管理を継続させることはできないとの判断で指定の取り消しを行うべきではないかと考えますが、市長、どう考えるでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 御指摘のことも含めて、指定管理者にまずは弁明書を提出させることになっておりまして、その後の対応になってくるかというふうに思っています。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 明確に協定書に違反し、仕様書に基づく保険加入を怠っていたという点からも、協定書第23条に基づき、私は指定管理の取り消しを行うべきだと考えます。同時に、金沢プールが市民にとって安心して利用できるようなプールとして運用する責任は市にあります。来年2018年に福井国体の水泳会場として利用されるなど、国民的な利用が計画されています。市長、この金沢プールは本市が直接責任を持って管理し運用する形態に改めるべきではないでしょうか。見解を伺います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今ほど森尾議員がおっしゃったように、来年には福井国体の水泳競技会場として利用されます。そのほか、フランスのオリンピックの合宿地であったりだとか、また、幾つか決定はしておりませんけれども全国大会、国際大会についての申し入れが今のところあるところであります。このクラスのプールになりますと、やはり全国的な経験を持った業者のアドバイスも直接必要になってくるというふうに私は思っています。引き続き、指定管理者をきちんと指導していかなければいけないというふうに思っています。先ほど申し上げました弁明書を提出させまして、その後、注意文書を発行する予定になっています。改めて今の御指摘の点も含めて指定管理者にはしっかりと伝えていき、また、連携をとっていくことによって、二度とこういうことのないようにしていかなければいけないというふうに思っています。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 事故の究明や責任も曖昧にしてはならないと思いますし、さまざまな配慮やその他は排除して、冷厳たる事故が発生したという事実に向き合い、市民と議会にしかとその事故の究明を果たす責任が私は市長にあると。そして、皆さんが進めてきた指定管理に基づく今回の事故の発生については、指定管理に基づく仕様書や協定書に基づいて、私は、冷厳たる事実を積み重ね判断することこそ公正公平な本市の行政として取り組むべき責任があるということを改めて指摘しておきたいというふうに思います。 そこで、飛び込み用トレーニング施設を安全なものにするためにどうしたらいいか。私は、先日、鯖江にある体操専用の体育館を見てきました。そこで体操選手がわざを習得するために設置されているピットと呼ばれる施設を見学し、そこで使用されているスポンジを見てきました。 (スポンジを提示) 議長の許可をいただいて、これが体操専用の施設で使われているピット内のスポンジです。一方、金沢プールで使用しているのはこれです。違いがあります。そこで、なぜこのスポンジを使ったのかということで聞いてきました。いろいろ研究したんだと。これではだめや、安全は保てない。したがって、こっちのスポンジのほうに変更したというふうに聞いてきました。市としての考えをお聞きしたいと思います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほど申し上げましたけれども、日本水連を初め、飛び込みの関係者の皆さんからいろんな御意見、知見をお聞きしながら対応しているところであります。森尾議員の今の御提案も1つの御提案として受けとめさせていただきます。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 さらに私は、日本の飛び込み競技に携わるトップコーチに、この施設を安全なものにするためにどうしたらいいかというお話を聞いてきました。このトップコーチは本市のトレーニング施設を見られたそうです。そのときの率直な感想は、この施設は何なの、とても使えないわという感想だったと。そこで、このトレーニング施設の安全対策として取り組むべき課題は、まず、トランポリン施設はプールサイドにも設置できることから、この場所での設置をやめて、ピットのある施設を中心に余裕のあるものにすること。2つ目は、ピットの深さは現在の1.8メートルから3メートル以上の深さに改善すること。スポンジはさいころ形から細長いものに変えること。スポンジの弾力性を維持するよう、時々まぜるためにピット内にネットを設けること。3つ目に、選手を支えるスパッティングと呼ばれるものは、設置場所が高いことから、下げて選手に近い位置に変更して、ロープで支えるコーチが移動しやすいようにピットの周辺のスペースを十分に確保すること。以上3点の改善を通じて安全な施設へと改善を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほど申し上げましたように、日本水連を初め、今ほどの方はどなたかわかりませんけれども、多くの経験者の方からの知見を集めながら、万全の安全対策をとらなければいけないというふうに思っています。今ほど御提案いただいたその方の御意見なども参考にさせていただきながら安全の万全を期してまいります。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 金沢プールが市民にとっても安全な施設として改善されるように、競技選手にとっても安心してトレーニングができる環境を整備する、そしてその信頼を得ていくという責任は本市にある。あんな施設は危なくて使えないよというような状況を一刻も早く改善するとともに、何よりも、けがをされた生徒が一日も早く回復できるように、本市の責任を果たすよう強く求めて、次の質問に移ります。 市役所庁舎前広場の使用をめぐる問題について伺っておきたいと思います。 この3月に市役所前広場がリニューアルオープンしました。市民の税金3億4,000万円が投入されました。この5月3日、市民団体の石川県憲法を守る会が憲法施行70周年集会を開くためにこの広場の使用許可を申請したところ、市はこれを不許可にしました。これまで許可していたにもかかわらず、なぜ不許可としたのか、怒りと不信が表明されました。一方、核兵器廃絶を目指す国民平和大行進が毎年行われている平和行進のパレードと集会を6月19日に開催するという、この広場の使用許可の申請に対しては許可をいたしました。許可、不許可を判断したのは本市庁舎等管理規則に基づく市の判断でした。この規則は、この3月21日に市が一方的に改正し、今回の判断となったものです。その改正した項目はどんな内容か、管理者である総務局長から明らかにしていただきたいと思います。 ○黒沢和規議長 相川総務局長。 ◎相川一郎総務局長 これまでの庁舎等管理規則では禁止行為の内容が必ずしも明確ではなかったことから、今回、庁舎前広場の改修も視野に、特に示威行為について市民にわかりやすい表現に改めたものでございます。 以上でございます。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 わかりやすい内容どころか、とんでもない改正をして文章を挿入したものです。管理規則第5条第12項、特定の政策、主義または意見に賛成し、または反対する目的で個人または団体で威力または気勢を他に示す等の示威行為と、こう改正されたものです。一体どんなことをもって賛成、反対を判断するのか。中立ならば許可するものなのか。市民が自由に意見を表明し、表現することに本市が一つ一つチェックすると。主義主張のチェックを行うことにならないのかと反響を呼んでいます。憲法第21条は集会の自由、結社の自由、検閲の禁止、通信の秘密などを定めた民主主義の基本をなすものです。この点に照らして、今回の規則の改正で行われた文言について、私は重大だと考えますが、市長の見解を伺います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 私は、表現の自由、集会の自由というものは大切だというふうに思っていますし、守らなければならないというふうに思っています。ただ、あの施設は市庁舎と一体となった公用財産でありますので、市庁舎の建物や広場の管理上支障がない場合に限って認めることとしているところでありますので、御理解いただければというふうに思います。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 市長は市民の税金を使って現在の広場を改修いたしました。そして、許可する、不許可する、その権限を市が持ち、その規則まで改正をして一つずつチェックする。問題が指摘されると、今度は広場は市庁舎と一体となった公用財産だと、こう述べました。しかし、市長、税金を使って今のような改修をしたのはあなたなんです。誰が見ても前の施設よりも現況は一般的な公園と同様な形態と見られます。それを理屈を立てて庁舎と一体だと、こう言ってみずからの判断を合理化するのはとんでもないと私は思います。まして、先ほどの規則の文言を一方的に改正して、憲法にも抵触するものを定めてはいけません。改めて、税金を使って改修し、誰が見ても一般の公園のように改修したこの広場を、市民が広く利用できるように対応することこそ市長としての対応ではないでしょうか。改めて伺います。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 多くの方に御利用いただいて、まちのにぎわいにつなげていただければというふうに思っています。ただし、ここは、繰り返しになりますけれども、市庁舎と一体となった公用財産でありますので、その限りにおいて御理解いただいて、ぜひ多くの市民の皆さんに御利用いただきたいというふうに思っています。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 今度は、市役所庁舎前広場使用行為審査会というものを立ち上げました。広場使用許可の権限を持つ本市総務局長と都市政策局長、3人の市民関係者の5人で構成され、広場の使用行為について審査の上、了承するとしています。この審査会が明確な根拠がない上に公平性、透明性が確保されないもので、市民から見れば到底認知されるものではありません。結局、改正された規則に基づき、許可、不許可の判断も含めて、その管理責任者である本市総務局長の判断を追認するというだけの審査会ではないでしょうか。私は、改めて規則の改正を行った、そして改正に基づいて審査会なるものまで持ち出して、みずからの判断の合理性を整えるなんていうのは役所のやるべきことではないというふうに思いますが、市長、どうでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 原則、審査会に諮るものではありません。原則、この管理規則にのっとって判断し、適正に許可を行うこととしているところであります。ただ、判断の極めて難しい案件が出てきた場合のみ、先ほどおっしゃっていただきましたメンバーによる審査会で御議論いただくものであります。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 この審査会なるものは、先ほど判断の基準とした規則の中に明記されたものではありません。皆さんが合理的な判断だと称して持ち出された規則の中に明記もない審査会なるものまで立ち上げて、許可、不許可についての審査を行って了承するという点では、とても合理性、透明性が確保されたものではないのではないでしょうか。こんな審査会が正当なものだという根拠は私はないと考えますが、いかがでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 繰り返しになりますが、基本はこの管理規則にのっとって私どもが判断することであります。ただ、極めて判断が難しい案件が出てきた場合に限って審査会の皆さんの御意見をお聞きしながら判断するところであります。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 規則の中に明示されない審査会、これに合理性があるのかというふうに思います。しかも、許可、不許可にかかわる問題について審査会が判断するというんです。しかし、情報公開もあるわけでもなく、市民からの意見表明がされるわけでもなく、しかも構成メンバーは市の局長が5人のうち2人も占めているという点からも、私はこの審査会なるものは規則にも定められたものではない上に、その内容や運営、この点からしても到底市民の理解と合意を得られるものではないと考えるものです。したがって、先ほど示しました一方的に改正して新たな文言をつけ加えたこの文言、そして審査会なるものは廃止するように求めたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 審査会に御意見をお聞きいたしますけれども、最終的に市が判断するものであります。森尾議員は先ほど改正というふうにおっしゃっていただいていますけれども、市民の皆さんにわかりやすいように改正させていただいたものでありますので、これに沿った形でこれからも対応していきたいというふうに思っています。逐次さまざまな場面で市民の皆さん、議会の皆さんに報告させていただければと思っています。 ○黒沢和規議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 私、最後に述べておきたいと思うのですが、市長が当初の市長選挙で公約を掲げた中に、ドーム型の施設を庁舎前広場につくるんだと。そしてイベントやその他について広く活用できるようにということを公約に掲げました。しかし、現実に調べてみると、あの広場の地下には駐車場があって、あの広場の上には構造物は建てられないという結論に達しました。そして、今度は白いキャンバス、こう言って現在の広場に改修されました。3億4,000万円の市民の税金を使っての改修です。まさに市長みずからの公約の私は破綻そのものの結果の広場だというふうに考えます。そうしたら、一般的な広場のような形態になったから、当然市民は広く使わせてくれと、これは当然なんです。ところが、今度は規則を一方的に改正し、あれは一般的な広場じゃないんだと。庁舎と一体となったものだと。こんな理屈を立てて、みずからの許可、不許可の正当性を主張するのは到底市長としてやるべきことではない。しかも、その判断を正当な判断だと言わんばかりの審査会までつくってやるなんていうのはとても認められるものではない。このことを改めて述べて、私の質問を終わります。(拍手) ○黒沢和規議長 以上で、30番森尾嘉昭議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○黒沢和規議長 この際、暫時休憩いたします。     午後0時4分 休憩-----------------------------------     午後1時2分 再開 △再開 ○下沢広伸副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○下沢広伸副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 4番坂本泰広議員。     〔4番坂本泰広議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆坂本泰広議員 自由民主党金沢市議員会の一員として質問の機会を得ましたので、質問をさせていただきます。 質問に先立ち、去る5月15日、北海道で緊急患者輸送の任務中に墜落事故で亡くなった4名の自衛隊員、そして、今月17日に警戒任務中に衝突事故で亡くなった米国駆逐艦フィッツジェラルドの乗員7名に対し、心から哀悼の意を表したいと思います。民生の安定や日本の安全保障に貢献している中で、とうとい命が失われたことは同志として悲しみにたえません。 それでは、本市の情報発信のあり方について、以下数点にわたりお尋ねいたします。 伝えたいことや伝えるべきことをいかに正確に満遍なく行き渡らせることができるか。これはいつの時代でも情報発信者にとって大きな課題であったのではないでしょうか。もちろん、情報を受け取る側も、自分が必要とする情報にどうやってアクセスするかということを常に選択してきたのだと思います。行政としては、市民に必要な情報をさまざまな形で広報、告知、提供しているわけですが、それが受け手である市民にどのように伝わっているか、あるいは金沢のことを知ろうとする人、知らない人などに対する本市の情報発信の現状について、観光、産業、市民生活、そして安心・安全、それぞれの観点でお聞きしたいと思います。 まず、お聞きします。それぞれの所管ごとに発行する広報や告知、説明や案内に用いるパンフレット類があると思いますが、市が実施する事業で年間にどれぐらいの種類で、予算的にはどれくらいかかっているでしょうか。 ○下沢広伸副議長 平嶋都市政策局長。 ◎平嶋正実都市政策局長 年間に約350種類、およそ8,000万円程度となっております。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 事業団などを含めるとさらにその数もふえ、あるいは種類もふえるのじゃないかなと思いますし、簡単には把握できないほどの種類に上るのであろうと思いますが、市の施設や市民センターなどにはたくさんのパンフレットやリーフレットが設置されておりますが、これらが年間一体どれぐらいの割合の数が残ってしまうのかお聞かせください。 ○下沢広伸副議長 平嶋都市政策局長。 ◎平嶋正実都市政策局長 全体として残る割合までは把握しておりませんが、必要となる部数を精査し作成するように努めているところでございます。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 決して批判的なことを言うわけではないですけれども、ある広告代理店の分析によると、これは企業なんですけれども、チラシを活用している企業の多くには、チラシに無駄がある、あるいは効果が見えない、きかなくなっていると感じながらも、チラシにかわる施策がないという消極的な理由で折り込みチラシを継続しているものもあるといわれ、その結果として、そのような小売業の業績は決して思わしくない状態にあるとも指摘しています。チラシの無駄遣いだけが業績悪化の原因ではないものの、チラシをばらまくことしかできない顧客理解度の低さが根底にあるとも指摘しています。私は、市民への説明のツールやアイテムとしてパンフレット類は欠かせないものであるというふうに思っておりますし、内容を高めてどんどん活用すればいいと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 いろんなさまざまなパンフレット、市民生活に直接影響するものにつきましては、市の広報であったりネットであったりと同じようにパンフレットは必要だというふうに思っていますし、情報弱者の方たちにも大変意義があるんだというふうに思っています。観光パンフレットは、今ほど広告代理店の方がおっしゃっていただきましたように、徐々にではありますけれども、そのニーズというものは実は下がってきているんではないかということ、私も皮膚感覚として感じているところでもあります。ただ、本市の観光パンフレットは大変高い人気を示していまして、その高い人気が印象をよくすることによってつながっているということがあるんではないかというふうに思っています。御存じのとおり、地域活性化センターが実施した市町村人気パンフレットランキングにおきまして、本市は2位と4位に入っています。できるだけデザインにすぐれたものということで、広報ディレクターやコピーライターなどの専門家から御助言をいただきながらつくっているところでありまして、差別化を図っていくことが大切だというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 非常に工夫がされているというのは、他都市に行ったときに、よくそういった観光パンフレットのたぐいを資料としていただいたりしたときにつくづく感じるのは、金沢というのはボリュームもしかり、中身もしかり、非常に洗練されているなという印象はありますので、今ほど言ったことも含めて、今後とも適正な見積もりのもとにそういったものを整備していただければなというふうに思います。 さて、インターネットの広告というものが常識化しているわけですけれども、現在はそれがパソコンからモバイルへシフトしているのが一層顕著になっています。2014年の総務省の調査によれば、20代のスマートフォン、いわゆるスマホの利用率は95%近くに達しており、中高年層でもスマホへのシフトが顕著であるというふうな現状です。広告もスマホ向けのカスタマイズが必須であり、スマホの小さな画面をいかに支配していくかにしのぎを削っている状況と言えます。スマホがなければ生きていけない、スマホとともに生きている人々がふえるに従って、スマホ画面の取り合い、場所の取り合い合戦というものがますます激しくなっていくんだろうというふうに思います。ポケモンGOのヒットに見られるように、現在は位置情報やAR--拡張現実を組み合わせた広告がふえてくるのではないかというふうに思いますが、市としてはこうしたことへの取り組みをどのようにお考えでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 位置情報につきましては、既に市の公式アプリであったり子育てアプリで活用しているところであります。ARにつきましては、まだ活用はしていませんけれども、先行する都市であったりだとか民間などを参考にしながら少し研究させていただければと思います。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ARにつきましても、例えば金沢の歴史文化的な位置に差しかかったときに、そこでスマートフォンをかざしたときに、当時のまちなみが、人の行き来する様子がかぶって見えるような、そんな工夫があると非常に魅力的じゃないかなというふうに思います。 PRということなんですけれども、PRとは、パブリック、一般社会とのリレーションズ、関係であり、PRには市民とのよい関係づくりが欠かせないと言えます。伝えるというのは単に発信すればいいということではなく、共感や納得などを得られて初めて伝わると言えると思いますが、こうした考え方について、市として統一した考えというものはお持ちでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 ペーパーと違って、ネット、特にスマホやタブレット型になりますと画面の制約等々がありますので、いわゆる直感型といいますか、まさに読んで納得するというよりも、共感を覚えるということが大変大切になってくるんではないかというふうに思いますし、ネット上のさまざまな情報を発信する際には、目的を明確に分けて、情報を正確に伝えたいというときには少々文言が多くなっても、また、印象、イメージを伝えたいというときには直感的な共感という部分を念頭に置いて取り組んでいくべきだというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 キャッチボールをする、例えでいきますとキャッチボールをするときに、相手は誰で、どんなボールをどうやって投げれば相手がキャッチできるか、また、そういうことに基づいてボールの種類や相手との距離、場所、いろんなことを考えるのと同じで、情報というボールをどのように投げて、投げ返してもらうかを考える必要があると思います。双方向の情報のやりとりについて、本市では十分に行えているといえますでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 フェイスブックで情報を、これはプロジェクトチームをつくりまして、若手を中心にそれぞれの部署からさまざまな情報を発信してもらっています。いろんなコメントもいただくところであります。時差はややあるかもしれませんけれども、基本的にはコメントに返信させていただくように心がけているところでもあります。また、市政eモニターで得た意見を施策に反映するなど、可能な限りそういうキャッチボールの中で具体的な施策につなげていきたいというふうに考えています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今ほど、フェイスブックであったりいろんなツールを使って双方向の取り組みをなされていると。また、プロジェクトチームを中心にそういったことに取り組んでいるという姿勢は十分伝わってまいりました。これはどんどん生かしていくべき情報だとも思いますし、同時に、現場でお仕事をされる職員にとっても、そういうモチベーションを高めるという効果もあるんじゃないかなというふうに思いますので、今後とも活用に工夫を重ねていっていただければというふうにお願いしたいところです。 次に、観光についてお尋ねします。 2015年11月3日に公開された金沢のプロモーションムービー「COLOR THEORY FOR KANAZAWA」の再生回数は6月15日現在で2万9,151回、コメントについては3件ほどということで、率直にこの数字をどのように捉えていらっしゃるでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 多くの方にごらんをいただいているんではないかというふうに思っています。また、8カ国語で制作しているということもありまして、多くの国の方たちの皆さんにもごらんいただいているんだというふうに思っていますし、また、青年会議所の世界会議を初め、いろんな世界会議の場でもごらんいただいているところであります。ただ、より多くの方にごらんいただけるような手だてというものも考えていかなければいけないと思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 私自身、この動画について自身のフェイスブックでアンケートをとってみました。1,000人を超える方に対してそれが届きまして、そのうち65人から回答を得て、33人からのリアクションと11件のコメント、これも多いかどうかちょっとわからないですけれども、いただきました。寄せられたコメントを総合して見ると、決して悪くはない、非常によくできているんじゃないかなと思うと同時に、やや物足りなさみたいのを感じているというふうなのが全体的な印象です。対照的と言うと正しいかどうかわかりませんけれども、2015年8月26日に公開された宮崎県小林市がつくった移住促進PRムービー「ンダモシタン小林」は、登場する外国人が小林市についていろいろと語っていく内容です。字幕とも相まってフランス語に聞こえる言葉は、実は全て当地の西諸弁という方言であることを最後に知ることになる、非常にうまくできているムービーです。再生回数は、同じく6月15日現在で228万3,090回ということで、コメントは279件。対比するのが適当かどうかわかりませんが、これを聞いて率直な御感想をお願いいたします。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 観光立国ショーケースの件で去年サミットを開きましたけれども、そのときにグーグルの担当者の方に来ていただいて、いろいろと講演もしていただきましたし、その前後で意見交換をさせていただきました。そのときに今の小林市の映像も見せていただいて、たくさんの方がごらんいただいているというお話もいただきました。私もすごいなというふうに率直に思わせていただきました。すごいんです。すごいということを前提に、ただ、そのグーグルの意見交換の中でおっしゃっていただいたのは、映像はすごい人気があるけれども、じゃ、それが観光につながっているかというと、全くそれは別問題と考えたほうがいいという御助言もいただきました。もちろんきっかけにはなったと思いますし、我々もそのきっかけをつかむために、お一人でも多くの方にごらんいただくことは必要だというふうに思いますけれども、そこは専門家の方の御意見もしっかりとお聞きしながら、きっかけをふやす努力は精いっぱいこれからもしていきますけれども、やはりその都市のイメージ、印象、格、そういうものも常に意識しながらやっていかなければいけないのかなということも改めて意見交換の中で感じさせていただきました。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今ほどおっしゃられた、数が全てではない。確かにその部分もある。きっかけをつくるということも当然大事ですし、金沢らしさというものを大切にしながら訴求していくことにこれからもいろいろと知恵を絞っていただければなというふうに思いますし、また見守っていきたいというふうに思います。 参考にですけれども、地域ブランド調査というのがありまして、その2016年によると魅力度ランキングで石川県は9位、北信越の他県は、新潟県が35位、長野県が8位、富山県が18位、福井県が41位というふうなことで、また、市町村ランキングというものがありまして、この魅力度ランキングの上位100位に石川県からは3市がランクインしています。金沢市は8位、60位には輪島市、85位には加賀市がランクインしています。先ほどの北信越の他県ではどうかということなんですけれども、長野県軽井沢町が15位、同じく松本市が49位、安曇野市が92位、白馬村が76位、長野市が78位。何と長野県は3市1町1村がランクインをしています。お隣の富山県からは黒部市が97位にランクインをしています。えっ、それだけかいなというふうな反応もあるかと思いますけれども、その他に北信越から100位以内にランクインしている市町村はありません。もちろんこのランキングが全てではないんですけれども、住みやすさや学力調査などさまざまなランキングで上位に入ってくる北信越の他県は、総合的な魅力度という意味では決して高くないということがこの結果から言えるのではないかなというふうに思います。そんな中で石川県や金沢市がよい結果が得られるというのはいいことだなというふうに当然思うわけですけれども、そう考えると、比較したほかの都市にはちょっと申しわけないんですけれども、せっかくいい財産なりを持っていても、それがうまく伝わっていないんじゃないかなというふうに思います。こうしたことをちょっと今参考にお話をしたんですけれども、これについてはどのように印象を持たれたでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 私は、2010年に市長に就任してから、いろんな報道の方や、またいろんな方から、今金沢市に求められることはと言われている中で、新幹線の直前ということもありましたので、常に発信力というふうに申し上げてきました。ここに来て新幹線という強力なツールを得ることができましたので、力をおかりしながら発信力を、まだまだと御指摘を受けるかと思いますけれども、高まりつつあるんではないかなというふうに思っています。ここに来て、やはり繰り返しになりますけれども、改めて金沢の個性、魅力にこだわった本物の力をつけていくことが必要だなと。そのことが先ほど言うブランドのランキングを上げることにつながっていくんだというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 そういう御意見から考えても、やはり魅力発信という意味で、先ほど言った動画の回数なんかは金沢の今のランキングからするともう一桁あってもいいのかなと思ったりもしますので、引き続き、今の思いを込めつついろんなことの施策に取り組んでいただきたいと思います。 さて、唐突ですが、ニコニコ超会議というイベントを御存じでしょうか。ホームページによると、登録会員数が6,000万人を超えるニコニコの全てを地上に再現することをコンセプトに行われるニコニコ最大の参加型複合イベントということで、ことしも4月に幕張メッセを会場に開催され、2日間の来場者数は15万4,601人、ネット来場者数は505万9,967人にも上りました。市長、ニコニコ超会議を御存じでしたでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 承知しています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 何度かそのニコニコ動画もごらんになったことがあるんじゃないかなと思いますけれども、一般的に受ける印象、私自身も実はそうだったんですけれども、アニメやアミューズメント、コスプレといったおたく文化的なイメージが非常にありました。実際行ってみて思ったんですけれども、今回のイベントでも歌舞伎や大相撲などの日本の文化を代表するものから、自動車メーカーや航空会社、金融業など民間企業はもとより、防衛省などの官公庁、自民・公明といった政党など、さまざまなジャンルからブースが出展されていました。率直に、ストレートにお伺いしますけれども、こうしたイベントに金沢市として出展することに関心はおありでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 私、知ってはいますけれども、お伺いをしたことはありません。今、坂本議員から具体的にお話をお聞きしました。関心は持っているところでありますけれども、今お聞きしたばかりで、今のこの段階で出展する気はあるかと言われてもなかなか難しいかな。まずはしっかりと私も坂本議員同様、勉強させていただければと思います。
    ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 もう少しつけ加えますと、その中で地方自治体のブースが幾つかありました。岩手県、高知県、鳥取県、そして淡路島の洲本市といった地方自治体も出展しておりました。岩手県の担当者の方にいろいろと伺ったところ、岩手県自体は知事みずからの発案で参加し始めて、ことしで4回目だったそうです。その目的は何かといいますと、若者向けに行政が何をやっているか、あるいは岩手県というのはどういったところなのかということを発信し、フィードバックを得たいというものでした。担当者によると、ニコニコ生放送では画面にテロップのようにしてずっとコメントが次々とリアルタイムにダイレクトに映し出されるので、そうしたさまざまなコメントから非常に参考になることが多いというふうなこともおっしゃっていました。先ほど出展4回目と言いましたけれども、4年目にもなってくるとマスコミ、メディアの取り上げ方もふえてきて、それなりに、そういう取り上げられて露出する機会がふえたということでした。積極的にこういう機会に飛び込んでいかないといけない。飛び込んでいくことによって、細かいことがわからなくても、先ほど市長おっしゃいました、ぱっと見た目のインパクトも含めて、岩手県が何をやっているかということへの関心のきっかけが大いにふえるんだというふうなことをおっしゃっていました。さらに、岩手県は、出展している他の自治体とは違い、広告代理店にお任せするのではなく、企画から運営までブースに関することは全て職員が担っているということで、その結果、反響も職員が直に受け取ることができるということに非常に大きな意味があるというお話もされました。先ほども言いましたけれども、職員のモチベーションを非常に高めるという意味でも効果が期待できると思いますが、今言っただけのことでちょっとまだ伝わらないかもしれないですけれども、さまざまなことを踏まえて、今後の出展を検討してはどうかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 岩手県の知事の若者の意見をお聞きしたい、私もすごい大切なことだというふうに思っています。坂本議員は観光ということでお尋ねになったので、その視点からお答えさせていただければと思いますけれども、私は、まちづくりとかにおいては、若者であったりとかお年を召した方、障害のある方、いろんな、まさにインフラとしての市政を情報発信し、声を聞きたいというふうに思っています。ただ、観光という部分において果たしてそれでいいのかなという思いを実は率直にしているところであります。限られた予算、限られたマンパワーで観光のための情報を発信していくとした場合は、私はやはり焦点を絞った形で情報を発信していくということが大切なんではないかなというふうに思っています。ただ、せっかくそういう各自治体が積極的な取り組みをなさっていらっしゃるということですので、まずは1回見せていただくところから、勉強からさせていただければなというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 本市の東京の事務所等もございますので、機会を得てそういった現場、イベントに足を運んでいただいて、また情報を吸い上げて生かしていただければなと思います。岩手県も当初と違って大分試行錯誤していって、回数を重ねるに従って、どういう発信がいいのかということを常に学習していっているということで、いまだにまだいろんな手探りのところもありますということなんで、またそういう肌感覚として必要だと思うので、ぜひそういったことへの調査も含めてお願いしたいと思います。 次に、産業の振興についての情報発信ですけれども、市内の中小企業が技術力や独創的なアイデアを生かし製品化した新製品のうち、優秀と認められるものを金沢かがやきブランドとして認定していますが、現在までの登録件数はどれぐらいに上るでしょうか。 ○下沢広伸副議長 吉田経済局長。 ◎吉田康敏経済局長 かがやきブランドの認定件数は、平成27年度、28年度で計18件となっております。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 私がいろいろと過去の第1回からの受賞を調べると、通算、全てで今のところ、間違いでなければ137件に上るんじゃないかなと思いますけれども、どうでしょうか。 ○下沢広伸副議長 吉田経済局長。 ◎吉田康敏経済局長 金沢かがやきブランドという名称で認定しましたのは平成27年度からでございまして、実は平成18年度から26年度にかけまして金沢ブランド優秀新製品という名称で認定しておりまして、これが119件です。合わせますと137件となります。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 失礼いたしました。金沢かがやきブランドになってから今度で3年目ということでよろしいですかね。そうなると思いますけれども、そこについてなんですけれども、金沢かがやきブランドといったものの、今3年目ということなんですけれども、制度の対外的な認知度についてはどのように見ていますか。というのも、受賞した企業が製品の紹介の部分で金沢かがやきブランド大賞受賞と銘打ったり、あるいはパンフレットに載せたりということもあると思うのですけれども、その金沢かがやきブランドというもの自体の知名度が余りなければ、せっかくのよさが伝わりにくいのではないかな、あるいは伝わらないのではないかなと思いますけれども、そうした懸念や、そうしたことに対する取り組みはお考えでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 かがやきブランドというブランドにしておりますけれども、まだまだ御指摘のように知名度は足りないというふうに思っています。当初から、新しいブランドですから、そのことについては覚悟もしておりまして、発信していこうということで受賞者の皆さんに金沢かがやきブランド情報発信チームというものを立ち上げていただきました。また、展示会やイベントではっぴを着てもらったりだとか、大きいのぼりであったりだとか、また、製品によってはそんなに大きいブースを出せないところもありますので、こういう小さい机に置くような、旗と言ってもいいようなのぼりをつくったりだとか、また、パンフレットであったり、また、可能であればパッケージにそのロゴを入れてほしいというふうにお願いしているところであります。まだまだという御指摘は真摯に受けとめまして、このかがやきブランドがしっかりとした金沢のブランドとして認知していただくように、これは行政だけじゃなくて、受賞された商品そのもの、受賞された商品の企業とともに取り組んでまいります。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 こういった方面でもブランド戦略というものを頑張っていただきたいなというふうに思います。 そういった中小企業を対象としたいろんな助成制度がある中で、見本市等の出展助成制度というのもありますが、昨年度の利用状況についてはどれぐらいだったでしょうか。 ○下沢広伸副議長 吉田経済局長。 ◎吉田康敏経済局長 平成28年度は27件の利用がございまして、内訳は、国内24件、海外3件でございます。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 本市にはオンリーワンのものづくりをしている企業が、高い技術力を持ったそういう企業がたくさんあるわけですけれども、今ほども言いました観光のみならず、ものづくりのまち金沢という印象も強く今後さらに強くアピールすべきというところで、今ほど言いました出展の支援にとどまらず、各種見本市や展示会などに金沢市としてブースを直接出展し、金沢からかがやきブランドの認定商品の販売促進PRを後押しするというふうな考え方についてはいかがお考えでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほど申し上げましたチームとしてさまざまな活動を行っていただいています。のぼりとか、はっぴだけではなくて、要望に応じ、また我々のほうからも金沢のパンフレットを何部か置いてもらったりとか、金沢のポスターを張らせてもらったりとか、そういう形で、金沢かがやきブランドもそうですけれども、金沢という都市自体のブランドもそれなりにしっかりしたものがありますので、それに連動してもらえるような形でそれぞれの企業にそういう協力も、むしろ我々のほうが協力してもらっているのかもしれませんけれども、そういうことを重ねていく中でブランドを高めていければというふうに思っています。金沢かがやきブランドとしてのブースの出展に際しましては、チームの皆さんと相談をしながら必要に応じて考えていきたいと思います。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ものづくり、ものづくりというふうなことが金沢でも古くから言われておりますので、そういったイメージも両輪のように育てていっていただければなというふうに思います。 次に、市民生活についてですけれども、去る3月議会において家庭ごみ有料化が決定し、来年2月の導入に向けてさまざまな準備が進められていると思いますが、条例可決後の説明会の開催状況はどのようになっているでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 4月から5月にかけて、私も出席しまして、市内8ブロックに分けてそれぞれの各校下地区の各種団体長の皆さんを中心にお集まりいただきまして説明させていただきました。現在は、所管、担当部署が中心となりまして、各校下の町会、個別の町会にも入っていますし、それはもう計画的に町会連合会の皆さんと相談しながら取り組んでいるところでありますし、それだけではなくて、いろんな企業であったりとか各種団体でも要望があったら出ていっているところでもありますし、私自身も個別に呼ばれて、日程が合えば直接行って話をしていることも幾つもありますし、これからも引き続き取り組んでいきたいと考えています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 市長みずからも積極的にそういうことに参加しているということで、やっぱりその意気込みというものは伝わってくるんじゃないかなというふうに思います。 私も実際、地元の町会であった説明会に参加したんですけれども、そういったところから寄せられた意見とか質問には大まかにどんなものがあったでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 意気込みとおっしゃいましたけれども、意気込みというよりも、とにかくこれは将来に向けて必要なことなんだという、その思いをお伝えすると同時に、いろんな御懸念を御指摘いただいていますので、そのことについての個別の対応策を説明させていただいているところであります。 一番多いのは、やはり違反ごみというものがあったときにどうなるのか。町会の負担はどうなるのか。市との連携はどうなるのか。そういう御質問が一番多かったというふうに思っています。また、古新聞、古雑誌等々、資源になるごみが燃やすごみに捨てられていることがこれまでも多かったけれども、これをさらに集団回収であったり、それぞれの別な回収の手段というものはどういうことがとれるのか、そのことについて市はどんな協力をすることができるのか。そういう質問が多かったというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 説明会に行きますと、まだ新制度そのものを知らない、残念ながらですね。現行のごみ出しの仕方、制度も理解が不十分であったり、あるいは新制度とそれを混同してしまったり、誤解がまだまだ見受けられますし、また、誤った情報をうのみにして制度自体に疑いを持つような人、そして、残念ながら第二庁舎とか外資系ホテルの話を持ち出してくるなど、説明会の趣旨自体を御理解いただけない方も一部おいでましたけれども、説明会を通じて、そうしたことをできるだけ解消して円滑な導入を図っていくべきというふうに思いますが、改めまして、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今ほど坂本議員がおっしゃったような御意見も私も直接お聞きするところであります。ただ、やっぱりそういう御意見も貴重な御意見でありますので、そこは真摯にお聞きいたします。真摯にお聞きさせていただいた上で、ここは理路整然と数字をもって説明することによって、御理解いただけるように努めているところであります。それがやはり未来の子どもや孫たちに対する私たちの責任であるというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 そういった懸念、これはもう説明を尽くす、これに限るんじゃないかなと思いますので、粘り強く、また納得を得られるように説明を続けていただければと思います。 つい最近なんですけれども、先日、新しくスマートフォンのアプリ、5374App(ゴミナシアップ)というものが公開されたんですけれども、参考ですけれども、現在までの登録状況というのは一体何件ほどでしょうか。 ○下沢広伸副議長 佐久間環境局長。 ◎佐久間悟環境局長 ごみの分別検索やごみ収集日の通知などの機能を備えましたスマートフォン対応の5374App(ゴミナシアップ)は6月1日から配信を始めておりまして、これまで約1,600人の方に登録していただいております。現在も1日当たり平均で約100人の新規ユーザーがふえている状況でございます。今後も、町会等での説明会に加え、不動産会社や大学等へのチラシの配布により積極的に周知してまいります。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 私自身も早速登録して、改めて、このごみはきょう出してよかったのかなと確認するのにも非常に役立ちますので、手軽に利用できるという意味ではもっともっと普及してくれるとありがたいんじゃないかなというふうに思います。 次に、市民生活ということで、都心軸における新交通システムの導入に向けた環境整備について、導入に向けての検討を進めているというふうに認識しておりますが、具体的に今年度についてはどういったことを行う予定があるでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今年度は、都心軸やその周辺道路の交通量調査、さらには、市民の公共交通に対する意識調査等を行い、得られたデータを活用し、今後の施策の中で生かしていきたいと考えています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 家庭ごみ有料化についても同じようなことが言えるんですけれども、新交通の導入についても、やはり市民のマインドシフトといったものが鍵を握ると思いますけれども、マイカーから脱却し、公共交通利用へとかじを切ってもらう方法論を含めて、市民の意識醸成にどのようにPRを図っていくお考えでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 御指摘いただきましたように、少子化、特に高齢化の中で、公共交通というのはまちの活性化にとって避けて通れない大切な必須のものであるというふうに思っています。マイカーから公共交通への切りかえということについて、不便だと言う方もいらっしゃいますけれども、やはりここは必要性を伝えていくことが大切なんだというふうに思っています。このたび、一般社団法人カーフリーデージャパンに加盟いたしました。北陸で初というふうにお聞きしています。いろんな研究会だけじゃなくて、交通実験も行っていくことが必要だというふうに思っています。9月下旬の休日になりますけれども、マイカーを使わない、公共交通を優先した社会形成を啓発するイベントを実施していきたいというふうに思いまして、また、それに合わせまして、同日、バスレーンの時間拡大実験を行うことによって施策の効果を高めていきたいというふうに思っています。以前もバスレーンの時間帯を拡大する実験をさせていただきましたが、天候の状況がいろいろとありますので、やはりこれは複数回行うことによって市民の皆さんのいろんな声をお聞きするということが大切になってくるんだと思っています。さらに、10月になりますけれども、交通まちづくりフォーラムを開催し、こういうイベント等々を通しまして市民の皆さんの意識の醸成に向けて取り組んでいきたいというふうに考えています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 導入に当たっては、走行空間の確保であったり周辺の渋滞などの懸念というものがいろいろとささやかれておりますけれども、朝夕はともかく、日中の交通量はさほどでもないというのが私自身の印象なので、こうしたこともマインドシフトが大事なのかなというふうに思います。例えば、朝夕の交通量を抑制したりということで、都心軸路線に限定して、例えばナンバープレート規制を導入するとか、ノーマイカーデーを大幅に拡大するとかの大胆な取り組みで公共交通利用を誘導するようなことも考えればいいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 車両ナンバープレートを活用した公共交通利用誘導策についてですけれども、先ほど9月と10月のことをお話しさせていただきました。その間を利用いたしまして、全市民となりますと、交通事業者であったり道路管理者であったり警察の調整が必要となってきますので、まずは隗より始めよ、まずは本市職員を対象にいたしまして、1日目はナンバープレート末尾の数字が奇数、2日目には偶数の者がマイカー利用によるまちなかへの来訪を控える、そういう活動をしていくことによって、公共交通の利用促進の大切さというものをそういう活動を積み重ねていく中で市民の皆さんに広げていければというふうに思っています。 ○下沢広伸副議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ごみの有料化も含めて、誰かがやらなければいけない扉を今あけようとしているわけですから、積極的にまた取り組んでいただきたいと思います。 残り時間がありませんので、最後は要望しておきたいと思いますけれども、北朝鮮による弾道ミサイルの懸念というものがある中で、今、県も訓練を今年度行うというようなことがありましたけれども、国民保護計画に基づいて、本市においても独自にそういったことの情報伝達の訓練であったりをやっていく考えがあるのかお聞かせいただきたいと思います。 ○下沢広伸副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 県のほうでさまざまな訓練をされるということもお聞きしております。しっかりと連携をしながら取り組んでいきたいと考えています。 ○下沢広伸副議長 以上で、4番坂本泰広議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手) 29番玉野道議員。     〔29番玉野 道議員登壇〕(拍手) ◆玉野道議員 質問の1点目は、新人口推計と本市の未来図に関してです。 平成27年の国勢調査の確定数をもとに去る4月に公表された厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では、進行度合いに緩和の傾向が見られるものの、人口減少、少子・超高齢化傾向に十分な歯どめがかかっていないことを予見しています。このことから、人口構成の変化に政策が追いつかない実態が浮き彫りとなり、減り続ける働き手の減少は歳入歳出動向に大きな影響を及ぼし、ひいては自治体財政に行き詰まる可能性をも危惧されます。新人口推計からは、新たな焦点として、出生率が上がっても出生数は減り、社会の支え手である生産年齢労働人口がハイペースで減少を続ける一方、平均寿命の伸びから高齢化が進み、働き手1人で高齢者1人を支える社会となり、現行の行政サービス水準の維持・存続が困難となることが想定されるなど、極めて厳しい日本の未来図を描き出しています。本市も決して例外でなく、新人口推計をどう捉え、どのようにかじ取りするかが市政の本質的な課題と考えます。このまま手をこまねいていれば、経済成長は鈍化し、社会全体の活力が奪われる懸念があり、医療・介護費の増加が自治体財政を圧迫し、結果として行政サービスが絞られるなど、新人口推計のマイナス面や縮小問題、2025年問題の課題に真正面から向き合い、まちづくりを根底から見直す機会と前向きに捉えて本市の未来図を描かなければなりません。そこで、今後の社会や経済などの縮小問題を踏まえ、いかなるビジョンを思い描くのか、また、本市の活力を維持するための都市経営とかかる課題についてお尋ねいたします。 将来を託す若者が減少する社会は、活力がそがれ、あらゆる場面で人手不足が深刻化することが予測され、安心して結婚、出産、育児ができる社会の実現など克服すべき課題は多く、中長期的な視座に立ったグランドデザインが不可欠です。ゆえに、未来、将来のまちづくりに向けた集約都市形成計画は、施設整備の補助等の優遇策を受けるためのつけ焼き刃的な対応であってはならず、コンパクト化の国内事情等を教訓に、足元で起きているさまざまな課題を精査、分析し、政策課題と優先施策など真に何が必要かを明確に将来像をデザインすること、さらに、実効性ある施策による重点的、集中的な財政投資を行い、将来世代の社会環境整備を着実に進めることが急務と考えます。そこで、本市の国勢調査結果をどのように検証されているのか、人口構成の変化に適応する改革への取り組みをどう考えておられるのかお尋ねいたします。 さて、新人口推計では、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症と推計し、超高齢社会に加え、認知症社会も予測しています。この4月から実施された改正介護保険制度は、自立支援、重度化防止を明確に打ち出し、自立支援型ケアマネジメントの理念のもと、介護給付の適正化の成果と交付金や奨励金、報酬加算制度を盛り込むなど、いわゆる介護報酬抑制の自治体への成功報酬制度が導入されています。在宅介護・在宅医療の流れの中、複数の慢性疾患を抱えることが多い高齢者が、住み慣れた地域で病と向き合いながら生活の質を維持しつつ暮らしの改善を図るため、地域力を活用し、医療、介護、予防、住まい、生活支援を包括的に支援する地域包括支援センターがあります。しかし、現状は設置された平成18年当時と状況が変わり、平成26年に制定された条例との整合性や民生委員の活動基盤と地域包括支援センターとのありよう、また、善隣館地域デーの役割と位置づけなど、人口構成の変化に呼応する対策が必要です。それらの体制強化を目指す改正介護保険関連法がこの5月28日に成立しています。そこで、現状と将来を見据え、地域生活機能の維持向上と構築を図り、本市の宝である地域善隣思想を生かした地域共生社会の実現に向け、善隣館活動活性化研究会や地域福祉計画策定委員会においてどのように論議し、具体的な施策として発展させるのかお尋ねいたします。 質問の2点目は、地域医療構想と金沢市立病院に関してです。 人口構成の変化と2025年問題を見据えた医療・介護予測に基づき、2018年度の診療報酬、介護報酬の同時改定に向けた論議とともに、第7次医療計画と介護保険事業計画が国の指導で策定されていますが、これには医療と介護の連携体制の構築と共助の発想に基づいた医療と介護のネットワークの構築が必須です。懸案の地域医療構想が各都道府県でまとめられ、医療と介護の連携、医療機能分化と必要な病床数の実現には、療養病床や在宅対応患者の問題など在宅医療ニーズの把握も含め、最適な地域包括ケアシステムを一体的に提供する体制づくりが不可欠です。新たな医療計画・介護保険計画の論議が開始される中、この3月に市立病院の新しい経営計画が策定されたほか、市在宅医療等推進計画が策定され、10月に在宅医療・介護連携センターが開設されます。そこで、これらの計画における地域包括ケアシステムと病床の機能分化、在宅医療と介護の連携推進の取り組みについてお尋ねいたします。 さて、地域医療構想の実現と地域包括ケアシステムの構築を見据えた、いわゆる医療介護総合確保推進法は、19の関連法等を横断的に改正し、医療・介護の提供体制の改革推進を目指しています。その柱ともいえる病床機能報告制度は、各病院の今後のあり方と地域包括ケアシステムの構築、認知症施策など新たな地域支援事業の推進を課題とし、地域医療構想は、2025年のあるべき医療の姿に向け、時間をかけて本格的な論議と対策を打ち出す最後のチャンスともいわれています。一方、民間病院経営者からの反発もあり、地域医療構想調整会議では、その具体化に当たって、公立病院を中心に具体的な病院名を挙げて、ベッドの機能転換や削減などについての既に協議に入っている都道府県もあり、中小病院は自主的に在宅医療の推進に取り組むことが当然視され、救急対応を担う重症患者向けの高度急性期と急性期ベッド、高齢者などのリハビリを担う回復ベッド、長期療養の患者が入る慢性期ベッドなど、医療需要のすみ分けが求められています。そこで、市立病院は地域連携型病院を目指すとしておりますが、病院としての役割と位置づけ、また、居宅医療の受け皿づくりなど、病院完結型医療から地域完結型医療への転換を基本としたこれらの対応についてお尋ねいたします。 2017年度末には介護療養病床が廃止されるなど、療養病床のあり方が課題となる中、地域医療連携推進法人という新たな制度のもと、市立病院の機能分化の必要性も高まってくると考えます。そこで、病院と地域を一体と考え、患者を生活者の視点で捉えた従来型医療から生活支援型医療への転換を通じ、切れ目のない医療・介護を提供する地域包括ケアを担う病院としての位置づけを明確にし、政策的な医療推進と地域医療の中心となる司令塔の役割を果たすことが必要と思われますが、お考えをお尋ねいたします。 さて、次世代医療基盤法が去る4月28日に成立し、病院に蓄積されている患者についての膨大な医療ビッグデータの共有、活用による施策の立案などにより、健康増進や保健事業が飛躍的に進歩することが期待されています。人口構造の変化と地域包括ケアに応えるには、マイナンバーによる医療機関や介護施設の患者についての医療ビッグデータの人工知能、AIでの分析など、医療情報の利活用による健康増進サービスの向上、病院情報システムのクラウド型のシステム化の対応のほか、地域医療構想のニーズに対応する医療機器の更新も課題と考えます。折しも、平成29年度から30年度までに新金沢市立病院経営計画が策定されておりますが、来年1月には新石川県立中央病院が最新の施設機能を備えて診療を開始します。そこで、耐震対応を終えているものの機能面での老朽化が懸念される市立病院での現状を踏まえ、地域包括病棟病院としての機能充実の視点から、市立病院の現在地での建て替えの有無、また、在宅促進への対応と独立行政法人化など、今後の市立病院の展望と経営戦略についてお尋ねいたします。 質問の3点目は、縮小問題、2025年問題と集約都市形成計画に関してです。 社会や経済の縮小問題と2025年問題も含めた人口構成の変化に伴う社会基盤の需給バランスの変化への対応には、広域の対応とあわせ、市民と課題を共有し抜本的な方策を講ずる必要があると考えます。集約都市形成計画はその手法の1つですが、地域力を再生、創造する新たな地域コミュニティーの形成を目的とすることからも、市民参加は欠かせず、市民目線を反映した集約都市形成計画の実現に向け、まちづくりの将来像の課題と方向性を丁寧に提案、説明し、本質的な議論を活性化させる協働の努力が欠かせません。しかしながら、縮小問題、2025年問題、人口構成の変化は、金沢方式といわれてきた校下エリアごとの公民館、連合町会、社会福祉協議会、消防団等々の各種団体など、いわゆる地縁を核としたコミュニティー機能を維持していけるのか。また、生活サービスの連携により地域活性化を生み出せるのか。ただ荒れていくのか。その岐路に立っているようにも危惧してなりません。そこで、集約都市形成計画では、居住や都市機能について一定の集約を図っていく新たなまちづくりの方針を提示していますが、存続が危惧される地縁を核とした各種コミュニティー機能に対してどのような新たな地域コミュニティーの形成・創出と連携の取り組みを標榜していくのかお尋ねいたします。 さて、北陸新幹線の金沢開業から3年目に入り、交通アクセス向上が追い風となり、本市においては、本社機能も含めた企業の新規立地や拠点の拡充、ホテルなどの開発が相次いでおります。特に金沢駅周辺や中心部を主として、地方都市であるにもかかわらず全国6位の公示地価の高騰など、想定外の開業効果が多方面に派生し、集約都市形成計画に少なからず影響を与える課題も生じていると考えます。そこで、北陸新幹線開業による影響検証も行われておりますが、想定内、想定外の事象をどう評価されておられるのか。また、本市の個性に磨きをかけ、さらなる飛躍につなげ、地域の未来を切り開くための課題とその取り組みについてお尋ねいたします。 さて、近年の市民生活に着目すると、自宅で買い物ができるインターネットショッピングの市場規模拡大や位置づけ、購入先に占める割合は、コンビニエンスストアを上回り、店頭販売を主とする中小商店や商店街は通信販売や宅配などの新たなニーズに対応できていないとの指摘とともに、宅配の増加に伴う段ボール等が家庭ごみの新たな問題となるなどしています。また、これまで中心市街地の中核的な商業機能を果たし、商店街とともに地域商業を支え、強力な誘客力を持ち、にぎわいを創出する担い手でもあった百貨店や総合スーパーなどは、消費者ニーズや消費行動の変化により、業態そのものが時代に合わなくなっているともいわれています。郊外に立地する巨大ショッピングモールなどにより、物の買い方が根本的に変化し、百貨店や総合スーパーの時代でなくなったという印象が強まる中、中心市街地の顔とも言われてきた本市の両百貨店の売り上げの低迷が中心市街地のにぎわいに影を落とし、中心市街地の危機との指摘もあります。そこで、このような現状や指摘をどのように捉え、本市としてどのような対応をお考えなのかお尋ねいたします。 北陸新幹線は観光交流人口の増加をもたらし、本市のオフィス街と称された地域でのホテル建設ラッシュは駐車場需要を拡大させ、大型観光バスの車寄せ問題も含め、それらの影響は、路地裏、居住地域にも及んでいます。自動車と歩行者の交差問題など、健康で歩いて暮らせるまちづくりの実現にはほど遠く、空き家、空き部屋を使用した小規模ホテル等や簡易宿泊施設並びにコインパーキングの乱立と増殖は、歴史的・文化的景観の構成要素をも喪失させ、歴史文化都市としての統一性や連続性、情景にも影響を生じさせ、空洞化による人口密度の低下は、金沢らしさを支える地域コミュニティー機能の維持も含めさまざまな課題を浮上させています。このように、世界遺産都市を標榜するとした本市のまちづくりの基本的な考え方と価値観が、行政、住民、事業者間で理解されない事案がふえ、土地公示価格の高騰と不動産の利活用の変化が本市の魅力や形態を変質させ、今や本市の施策の根幹も揺るがさんとし、コミュニティーの基盤となる町会運営にも影響を及ぼしているようにも思えます。そこで、関連条例を初め、関係部局での横断的連携のもと、ハード、ソフト両面からもさまざまな施策が講じられておりますが、北陸新幹線開業後のまちの変容と形態の変貌を直視し、問題となる土地利用マネジメントと地域コミュニティーを崩壊させる人口密度の低下にどのような対処方策を考えておられるのかお尋ねいたします。 車社会において、駐車場がまちなかの交通施策として担う役割は大きく、駐車場を制するものはまちづくりを制するといわれるほどに、まちの魅力を高める施策として駐車場のあり方を考える発想は、より重要になっていると考えますが、だからといって、LRTなどの新交通は足元の問題解決にはつながりません。本市の集約都市形成計画では、任意設定の駐車場配置適正地域を導入していますが、国では、立地適正計画の推進に当たり、駐車場に関する誘導策や課税対策も視野に入れているといわれています。前市政では金沢市における駐車場の適正な配置に関する条例が制定され、また、国土交通省は平成27年に都市の低炭素化の促進に関する法律等に基づく駐車施設の集約化に関する手引き、都市再生特別措置法に基づく駐車場の適正配置に関する手引きを改定していますが、さきに述べたように、小規模ホテル等や簡易宿泊施設の急増や駐車場の立地、小規模コインパーキングの増殖に歯どめがかからない状況になっています。そこで、本市の金沢市の情景と魅力を高める不動産利活用のあり方と路外駐車場の配置適正化と駐車場施設の集約化など、まちの魅力を高める駐車場マネジメントについてお尋ねいたします。 さて、文部科学省は、全国の公立小中学校の統廃合に関する調査結果を公表し、今回から統廃合に係る費用も調査対象としています。先般、まちなか区域で教育施設の再整備案が関係する地域において説明会が開催されたと仄聞しておりますが、公共施設等管理計画にも及ぶ事案と捉えます。本市中心部においてマンション建設計画もメジロ押しですが、かつてマンションの林立と定住人口の増加を想定し、1,200人規模として開校された小学校も、現在は500人規模にとどまり、中心街の人口構成の推測から再統合を危惧する声もあり、このことの検証は不可欠と考えます。特に、教育施設整備の移設、通学区域の見直しなどは、金沢方式と呼ばれる校下単位のシステムの多様な主体や各種団体の連携、協力、地域コミュニティーの形成に大きな影響を及ぼします。それらの影響で行政需要や対応にも大きな差異が生じる可能性を生んでいます。それだけに、住み慣れた地域で安心して日常生活を送ることができる住環境を形成し、活力とコミュニティーの創出につながる適度な人口密度の維持と自立・自発的な地域力の機能向上を目指すエリアマネジメントが不可欠です。学校跡地、国有地などの公的不動産を種地とする新たな地区計画による再整備を行い、病院、デーサービス、地域包括支援センター、幼稚園・保育所、学校、行政施設など、地域力を再生するエリアマネジメントによるコミュニティープランの策定に有効と考えます。そこで、新たな学校規模適正化の方針のもと、教育施設整備をコミュニティーとしても重要な全世代型交流拠点として位置づけることにより多機能化を図るなど、公的不動産の活用化について、あわせて、今後予定される施設等の負担に係る所要額、また、これらに係る財政面の裏づけについてお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手) ○下沢広伸副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 29番玉野議員にお答えいたします。ちょっと早口になるかもしれませんけれども御理解ください。 人口減少の中で、どうやってまちづくりのビジョンを考えていくかということです。人口減少は、雇用機会の減少、都市機能の低下、ひいてはまちの活力の低下を及ぼし、市民生活にさまざまな悪影響を及ぼしかねないというふうに思っています。人口を維持していく施策に積極的に取り組まなければいけないというふうに思っています。平成27年に金沢市人口ビジョンを策定いたしました。子育て環境の充実、学都金沢の強みを生かした学生の定着、また、本市が目指すべき方向性を示すとともに、出生率の向上や雇用の確保、交流人口の拡大、産業の創出など、まちの拠点性の向上にも取り組んでいるところであります。 人口構成の変化についてお尋ねがございました。年少人口、生産年齢人口は残念ながら減少しております。老年人口の増加は、本市においても全国の流れに対して決して例外ではありません。こうしたことを踏まえ、金沢版総合戦略を策定し、子育て施策の充実、移住・定住の促進、産業と雇用の創出、周辺地域との連携など4つの基本目標を掲げ、戦略的かつ計画的に施策に取り組んでいるところであります。 善隣思想のことについて、善隣思想は金沢の宝だというふうにおっしゃられました。私も全く同感であります。金沢の地域コミュニティーの要諦だというふうに思っています。先般、地域福祉計画策定委員会、さらには、今後の善隣館活動のあり方研究会を開かせていただきました。地域におけるさまざまな課題、また、善隣館の状況についても率直な御意見をおっしゃっていただきました。今後、善隣館など地域コミュニティーのさらなる活性化に向け、いろんな現場の方たちからの御意見もお聞きし、議論を重ね、善隣思想に基づく金沢らしい地域共生社会の姿を提示できるように検討してまいります。 金沢市立病院のことについて何点かお尋ねがございました。私のほうからは今後の展望であります。 まず、経営体質の強化が必要であると考えておりまして、院内に将来問題検討会を設置し、収支の改善、経営の効率化などに取り組むこととしたところであります。建て替え、さらには独立行政法人化などにつきましては、この経営基盤の強化を図る中で研究させていただければというふうに思います。 集約都市形成計画における地域コミュニティーのあり方についてお尋ねがございました。少子高齢化の中で、コミュニティーが希薄化しつつあるのではないかという御指摘を受けるところでもあります。さまざまな地域活動に参加する住民の数も減ってきているのではないかという御指摘もあるところであります。そういうことが地域コミュニティーの衰退につながってまいります。まずは、条例を策定しながら、その具現化に向けて先般審議会を立ち上げたところでありまして、地域における諸課題について御意見をいただくとともに、来月には全ての町会長を対象としたアンケート調査を行わせていただくことになっています。それらを踏まえ、今後の具体的な支援策等を盛り込んだ地域コミュニティー活性化推進計画を年度中に策定していきたいと考えています。 新幹線開業に伴う影響についてお尋ねがございました。たくさんの方がお越しいただいて、まちに活気やにぎわいがもたらされていることは事実であります。一方では、長町や東山、近江町市場など、たくさんの観光客がお越しいただくこと自体はうれしいんではありますけれども、そこは実はそのまま生活の場でもあります。生活の場に観光客の方が、受け入れられる以上の多くの方がお越しいただくことによって、市民生活に影響が出てきているという指摘も受けるところでありますし、金沢らしさの喪失を懸念される声もお聞きするところでもあります。先般、北陸新幹線開業による影響検証会議を開催し、プラスの効果は全体として一般的・普遍的なものとして広げていきながら、マイナスのことにつきましては、これはもう個別的・具体的に一つ一つ改善していかなければいけない。その対応策を年内をめどに取りまとめて、もちろん、すぐ並行してできることは取り組んでいきながら、これからの施策の中で生かしていければというふうに思っています。 買い物、ショッピングの環境が変わってきました。インターネットであったり巨大ショッピングモールであったり、中心市街地のにぎわい創出についても懸念されるところでもあります。中心商店街の皆さん方は、きめ細やかな対面販売を重ねることによって信頼関係を構築され、また、地域コミュニティーの間違いなく核になっていただいている皆さん方であります。さまざまな行事を独自でされたり、また、金沢商業活性化センターと連携し、店舗の集積であったりイベントも行っていただいているところであります。まちの強みを生かした集客力の向上に努めていただいているところであります。本市としても、さまざまな場面を捉まえて連携しながら、引き続きまちなかの魅力を高めていきたいというふうに思っています。今後ですけれども、御意見をお聞きしながら、にぎわい創出イベントに合わせた共同販促、また、新規顧客獲得につながる商店街等クーポン事業など、商店街の皆さんの意見もお聞きしながら、しっかり連携をして取り組んでまいります。 土地利用マネジメントのことについてお触れでございました。定住人口の確保についてもあわせてお触れでございました。駐車場が急増しているところでもあります。土地利用をマネジメントするには、まずは地域住民が主体となったルールづくりを普及させることが大切であると考えています。今年度より、まちなかのまちづくり協定の締結重点区域を拡大したところでありまして、地域住民と協働でそうしたルールづくりを進めてまいります。また、まちなかの住宅支援制度にはシニア世代への助成の上乗せを行ったところでもありまして、今後とも定住人口の確保に全力で取り組んでまいります。 駐車場マネジメントのことについてお尋ねがございました。開発を進める都心軸沿線におきましては、ホテルや店舗、オフィスなど、にぎわいを創出する施設等を整備する一方、保全を旨とするエリアでは、歴史的な風情あるまちなみの保全に意を用いながら、生活環境の向上に資する土地や建物などの利活用を促しているところであります。また、本市では駐車場法に基づき駐車場整備に関する基本計画等を定め、駐車場のあり方に関する方針を示しているところであります。新幹線開業に伴い、ホテル等の建設計画が増加していることなども踏まえ、基本計画の見直しの検討に着手したところであります。学識経験者や経済界、交通事業者などから構成される金沢市駐車場適正配置審議会の意見も聞きながら、本市にふさわしい適正な駐車場のあり方について議論を深めてまいります。 学校施設における多機能化の御提案をいただきました。近年の学校は、児童クラブの併設、地域開放のための専用玄関、会議室、防災倉庫など、地域コミュニティーの醸成ということにも十分意を用いながら学校施設整備を行ってきているところであります。また、近年、地域の皆さんが学校運営に参画するコミュニティスクール、さらには、校下・校区単位で地区住民が主体となって子どもを育てるための地域学校共同活動が進められていまして、学校が地域住民の交流拠点にもなっているというふうに思っています。コミュニティスクールにおきましては、モデル地区として今年度学校の数をふやさせていただきました。地域の皆さんが学校運営にかかわる、そんな意識をより持ってもらえるように、課題を今整理しながら、モデル校をより広げていくことによって、自分たちのまちの学校、そんな意識を持ってもらうことが地域コミュニティーの活性化につながっていくんだというふうに思っています。 多機能化についても御提案をいただきました。ただ、学校は子どもたちへの教育を目的に設置、運営される施設でありまして、冒頭申し上げましたさまざまな児童クラブであったりとか会議室、防災倉庫等々の形での活用というものはこれからも研究していきたいというふうに思っていますけれども、御指摘の多機能化ということにはなかなか課題が多いんではないかというふうに思っています。しっかりと研究させていただければと思います。 今後の統廃合に係る所要額と財政の裏づけについてですけれども、一般論ですけれども、新たな学校建設には1校当たり20億円から30億円程度が必要というふうにいわれています。新たな学校規模適正化の方針を実現するためには、複数の学校施設の整備が必要であるというふうに考えています。財政負担の平準化のための計画的な整備はもちろん、国庫補助等の財源の確保、本市が所有する土地の有効活用などに努めてまいります。 私のほうからは以上です。 ○下沢広伸副議長 西尾市立病院事務局長。 ◎西尾昭浩市立病院事務局長 市立病院に関しまして何点かのお尋ねがございました。 まず、地域包括ケアシステムに向けた病床の機能分化と地域連携推進の取り組みについてでございますが、新金沢市立病院経営計画においては、救急医療や災害医療等の急性期医療の充実とともに、回復期の機能を強化し、急性期から回復期への円滑な医療の提供を目指すこととしたところであります。退院支援の強化や、ICTを用いたかかりつけ医、訪問看護ステーションや介護施設との連携の強化により、入院医療から在宅医療への円滑な移行と在宅医療の支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、地域連携型病院としての役割と位置づけ、病院完結型医療から地域完結型医療への転換と対応についてでございます。市立病院では急性期から回復期の機能を持った入院医療を行い、より地域に密着した医療を提供するとともに、入院医療と在宅医療の連携を強化することで地域完結型医療を実践してまいりたいと考えております。具体的には、退院支援室の機能強化や入院医療から在宅医療移行時の総合支援、ICTを用いた病院とかかりつけ医、介護施設等の患者情報の共有化に取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、従来型医療から生活支援型医療へ転換し、地域包括ケア病院としての役割を明確化してはどうかとのお尋ねでございますが、ICTによる地域の患者情報の共有化や病院の診療情報の積極的な提供、在宅医療患者の検査型ショートステイなどの病院機能を有効に活用することにより、生活支援型の医療の実践に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○下沢広伸副議長 越田保健局長。 ◎越田理恵保健局長 私のほうからは、本市の在宅医療等推進計画についてお答えさせていただきます。本年3月に策定いたしました金沢市在宅医療等推進計画では、在宅医療・介護連携支援センターの開設のほか、在宅医療提供体制の確保や市民への普及啓発に取り組むことを明記してございます。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○下沢広伸副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後2時23分 休憩-----------------------------------     午後2時42分 再開 △再開 ○黒沢和規議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○黒沢和規議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 28番宮崎雅人議員。     〔28番宮崎雅人議員登壇〕(拍手) ◆宮崎雅人議員 質問の機会を得ましたので、会派みやびとして何点か質問させていただきます。 質問の1点目は、金沢の森林・林業についてであります。 私は、海岸林も含めた森林の保護と林産物の積極的な活用をライフワークの一つとして考えておりまして、この議会におきましても、本市の森林・林業に関して提案し、市長の見解を伺いたいと考えております。 最初は、石川県の独自税である、いしかわ森林環境税についてであります。 いしかわ森林環境税は、水源の涵養や地球温暖化の防止など、公益的で多面的な機能を有する森林を次世代に良好に引き継いでいくことを目的に平成19年に制定され、昨年度末、10年が経過し、さらに5年の延長が県議会において議決されました。県域の約7割を占めている貴重な財産である森林をオール石川で支え、保全していくためのものであり、この趣旨はもろ手を挙げて賛成したいと思っているところです。こうした中、県内には山林の多い自治体と少ない自治体がありますが、納税額で見ると人口の多い本市が県内で一番多く、その意味では貢献度が最も高いと言えます。しかし、この税の使われ方を見ると本市への配分が少ないように感じられますので、まずは県に対して応分の配分を求める考えはないか伺います。 次に、松くい虫被害防除に関する県と本市の連携について。 さて、私は、海岸近くに住む者として、日ごろから海岸沿いの防風林の果たす役割は大きいと感じております。もともと森林は公益的な機能が高いのですが、その中でも海岸林は強風や飛砂から住宅や田畑を守るとともに、美しい緑の景観を形成し、私たちに潤いや安らぎを与えてくれています。中でも、白山市から羽咋市の千里浜に至る海岸線は主に砂浜でできており、その砂浜に沿って美しい松林からなる海岸林が続いています。昔の航空写真を見たのですが、現在とは比較にならないくらい海岸林の幅が広く、かつ密度が濃く、緑でうっそうとしていることに驚かされました。この海岸林の変容の原因は、工場の立地や住宅化等の人為的な部分もありますが、最たるものは松くい虫であります。その美しい海岸の松林が昭和40年代後半から松くい虫の被害で立ち枯れてきたことから、防除に努めてきたと伺っていますが、近年、被害がとまらず防風機能が弱まってきているようにも感じられます。この松くい虫による被害は、偏西風に乗り海岸部から内陸部に広がることから、初期対応、特に海岸での対応が大切であると考えています。この海岸林の現状を市長はどのように認識していますか、お伺いいたします。 また、防除に関しては、現在、本市では海岸林での薬剤散布は行っておりませんが、県下では白山市など薬剤散布を行っている自治体もあります。こうした中、石川県では閉園後の兼六園での薬剤散布をしています。やり方次第で薬剤散布の可能性もあるのではないかと思われます。この件について、本市では薬剤散布の影響調査を実施したと聞いておりますが、その結果はどうだったのかお伺いいたします。また、薬剤散布をする場合は広域で一斉に実施するほうが高い効果が見込まれることから、県が音頭を取り、海岸林を持つ自治体が連携して実施するように要望してはいかがでしょうか。あわせて伺うものです。 次に、民有林の管理について。 森林の機能について考えてみたいと思います。森林は、材木やキノコなど林産物の供給にとどまらず、国土の保全や水源の涵養、地球温暖化の防止等々多面的機能を有し、国民、市民の生活及び経済に大きく貢献しております。こうした中、我が国の森林面積の約6割を占める民有林は、長引く木材価格の低迷等を背景に、森林所有者による伐採や植林が進まず、森林が持つ公益的機能の低下が懸念されています。本市においても、繁殖力が強い竹が森の中に侵入し、里山の竹林化が進行し、憂慮すべき事態となっているところです。そこで本市では、森林を再生し公益機能を維持するため、森林所有者が行う森林整備に対する補助制度をつくっていますが、この補助制度の活用と事業実施後の状況について伺います。 次に、森林組合と民間事業者についてであります。 森林所有者による協同組合的な組織である森林組合は、森林所有者の施業や林業の基盤整備などに貢献している団体で、現在では先ほど申し上げた民有林の再整備、竹林の伐採など直接的な施業のほか、林道のパトロールや森林境界の明確化、林業後継者の育成等、業務は多岐にわたり、今や森林組合抜きで林業施策は実施できないという状況です。以前から民間事業者の育成が求められているものの、実際は育っているとはいえず、森林組合の一人勝ちではないかとも言われております。こうした状況を市長はどう考えているのか。また、民間事業者の参入について、あわせて伺います。 この項目の最後に、森林・林業を守る手だてについてであります。 私は、地域住民の皆さんと一緒に、ボランティアとして松枯れに強い抵抗性クロマツの植栽を続けております。このボランティア作業に当たっては、小学生や中学生の卒業記念植樹として実施しており、卒業後も自分たちが植えたクロマツがどうなっているか関心を持ち、定期的に現地を訪れている子どももいることから、今後は、植樹だけではなく、草刈りなど活動範囲を広げ、海岸林への関心を高めていきたいと考えているところです。というのも、暗渠になっていた香林坊せせらぎ通りの用水を開渠化し、市民から見えるようにしたことで、ごみのポイ捨てが減り、水質も向上したといわれているからです。広く市民の皆様に森林の現状を見てもらい、自分のこととして感じてもらうことが大切だと考えます。森林・林業を守るためにさまざまな工夫が必要だと思いますが、市民向けにどのような施策に取り組んでいくつもりかお伺いし、この項目を終わります。 質問の2点目は、水害等への対応について数点お伺いいたします。 昨日、北陸地方や東北地方も梅雨入り宣言が出され、ことしも本格的な雨のシーズンを迎えました。雨と申しますと、平成26年の広島市での土砂災害、翌平成27年の関東・東北豪雨による鬼怒川大水害、そして、昨年は東北、北海道における台風10号による中小河川の氾濫などが記憶に新しいところであります。近年、毎年のように全国で大雨による甚大な災害が発生しています。その中で、国では、鬼怒川の大水害を踏まえ、全国各地域において河川管理者、都道府県、市町村等で構成される大規模氾濫減災協議会を設置し、構成員が減災のための目標を共有し、ハード、ソフト対策を一体的に計画的に推進する取り組みを始めました。昨年の台風10号の水害の後は、この取り組みを都道府県等の管理河川まで拡大するよう国から各都道府県宛てに通知が出されました。加えて、ことし5月には水防法の改正を行い、これからの取り組み、法的根拠も整備されたと聞いております。本市においては、平成20年7月の浅野川水害を踏まえ、金沢市総合治水対策の推進に関する条例を制定し、従来の河川整備による治水対策に加え、ハード、ソフト対策などさまざまな施策を総合的、全庁的に取り組み、水害等の防止・軽減を図ってきたところであります。浅野川水害以来、幸いにも本市では大きな水害等は発生していませんが、これは条例を制定し、市民と行政が協働し真剣に水害等に対し取り組んできた結果だと私は考えております。しかしながら、近年の全国的な異常気象を見ますと、広島市や鬼怒川のような事態は決して特別なことが特別な地域で発生しているのではなく、本市においても、いつ同じことが起きても不思議ではないといえます。そこで、まず、近年の全国的に発生している豪雨等に伴う浸水害、土砂災害に対して、本市はどういった体制で対応しようとしているかお尋ねいたします。 一方で、水害の非常時の防災体制を構築するには、対応する職員が大切であります。中でも、防災に精通した職員をいかに迅速に確保し、対応に当たらせるかで、被害の大きさや二次災害への拡大状況等が変わってくるといえます。近年、技術職員が次々退職し、技術職員数も減少する中で、いかに現状の職員で激甚化する水害等に対応するか、また、平時においても防災に対する技術を次の世代の職員に継承していくかが大きな課題であると思います。その課題の結果、施策の1つとして組織を再編することを提案したいと思います。本市では浅野川水害を教訓に道路建設課内にがけ地対策室を設置されました。以来、浸水害は内水整備課、土砂災害は道路管理課が所管となっております。それから10年近くが経過しようとしています。そんな中、社会情勢や市民ニーズ、そして何よりも気象状況も大きく変わってきています。国においては、平成23年度に流域全体での一体的な総合的管理の推進を図り、水関連行政の一元化のために水管理国土保全局を設置しています。そこで、大雨のとき、市内の水害状況などの情報が容易に共有できる水防活動等の効率化が求められ、加えて、防災を担当する職員を招集することで技術を継承する機会も多く創出できることから、道路建設課内にあるがけ地対策室を内水整備課に移し、課名も水管理保全課にするなど、大雨に対する組織の一元化、再編成を検討されるおつもりはないか伺います。 さて、昨年、岩手県で発生した台風10号に伴う中小河川の氾濫によって、高齢者福祉施設の入所者9名が逃げおくれるという事態が発生しました。本市においても同様なことが心配されるわけですが、まず、本市の浸水想定区域内にある高齢者など要配慮者利用施設の数と、そのうち避難計画を作成している施設の数についてお尋ねいたします。 岩手県の事例では、避難準備情報は高齢者等が避難するべき段階であることを行政側が伝えていなかったことに加え、施設の管理者が避難準備情報の意味を理解していなかったことや避難マニュアルを作成していなかったことが原因といわれております。これを踏まえて、昨年12月には国において避難準備情報を避難準備・高齢者等避難開始とわかりやすい名称に変更したことに加え、ことし5月の水防法改正では、逃げおくれゼロを目指し、要配慮者利用施設における避難計画の作成や訓練の実施について、努力義務から義務化に強化いたしました。しかしながら、岩手県の施設の管理者と同様、本市についても水害等に対する知識を詳細に理解している管理者は少ないと推定され、そんな中、管理者が避難計画を作成し訓練を実施するには、防災などのノウハウを持っている行政からのサポートが不可欠であると考えます。そこで、水防法改正に伴う避難計画の作成や訓練実施の義務化を踏まえ、本市において施設の管理者に対し水害に関する専門的な視点からどのような支援をしていくおつもりかお尋ねいたします。 繰り返しになりますが、金沢市総合治水対策条例が施行され、やがて10年がたとうとしています。近年の気象の変動は著しく、想定外はいつ本市に起きても不思議ではない状況となっています。今後も、より一層行政と市民が協働し、水害等に備えることが不可欠であると思います。安全・安心はまちづくりの基本であり、最大の福祉であるともいわれています。私は、議員として、そして同時に市民の一人として、私ごとではありますが、防災士の知識とネットワークを生かし、地域の安全・安心に貢献することで魅力あるまちづくりの実現を目指す決意を表明し、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○黒沢和規議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 28番宮崎議員にお答えいたします。 いしかわ森林環境税につきましてですけれども、この税は、個人及び法人の県民税均等割に上乗せして徴収し、森林整備のほか、普及啓発等の経費に充てられるものであります。本市の事業におきましてもある程度充当されているというふうに考えておりまして、今のところ県に特に意見を述べることは予定しておりません。 海岸林のことについて何点かお尋ねがございました。 粟崎から打木の海岸沿いに連なります本市の海岸林は、宮崎議員から御指摘がありましたように、その役割だけではなくて景観の面におきましても、私は、金沢らしい、石川らしい景観の保持に大いに役立っているというふうに思っています。また、機能面におきましても、防風・防砂林として、市民生活であったり本市の農業生産を守る貴重な財産と言っても私は過言でないというふうに思っています。残念ながら近年は松枯れの被害が多くありまして、ここに来てその被害量は減少傾向にあるものの、楽観はできないというふうに思っていまして、本年度も松くい虫対策に全力で取り組んでまいります。 薬剤散布のことについてですけれども、薬剤散布につきましては、松枯れ被害の状況、影響調査の結果及び地元の意向等を踏まえて実施する必要があるというふうに思っておりまして、現在では今のところ県に薬剤散布を要望することは考えてはおりません。 森林組合と民間事業者とのことについてでありますけれども、木材価格の低迷によりまして林業経営体が減少しておりまして、新たな民間業者の参入は困難な状況だというふうにお聞きしております。ただ、金沢林業大学校修了生によります請負のほか、造園業、木材業、建設業などの関連業種からの参入ができないか研究させていただければと思います。 森林・林業を守るための市民の皆さんに向けての施策についてですけれども、現在、多くの市民の皆さんの御協力を得ながら、海岸林における抵抗性クロマツの植栽、テクノパークの市有地における竹の駆除作業や遊歩道の整備等を行っておりまして、市民の意識啓発に努めているところでもあります。今後とも、多くの市民や団体、企業等の参加によります森づくり活動を推進してまいります。 水害等担当部局の組織再編についてお尋ねがございました。平成22年度の組織改編におきまして、大雨のときには河川パトロール等で業務が極端に集中する内水整備課から崖地の確認等に要する事務を道路建設課に移し、崖地防災対策を効果的に実施することにしたものであります。組織の改編後、特に問題、不都合も生じていませんので、今のところ組織を見直すことまでは考えていません。 施設管理者のことについてお尋ねがございました。国では、水防法の改正に伴い、施設管理者が計画の作成を容易に行えるよう作成の手引きを充実させるとともに、岩手県などの先進事例を全国に紹介するなど、支援の強化に努めているところであります。本市としても、施設管理者を対象に法の改正内容の周知を図るとともに、国の支援策等も活用しながら指導や助言を行うなど、施設管理者が計画の作成を着実に進められるよう支援に努めてまいります。 私のほうからは以上です。 ○黒沢和規議長 松倉農林水産局長。 ◎松倉剛弘農林水産局長 松くい虫被害に関しまして、薬剤散布の影響調査を実施した結果についてお尋ねでございました。昨年度、ミツバチが薬剤を運ぶと仮定し、スイカの苗に農薬を塗りつけ分析するモデル実験を実施いたしました。その結果、残留農薬量は基準値以下でありまして、スイカの安全性には影響を及ぼさないとの調査結果を得ておりますが、さらに生態系への影響等の考慮が必要でありますので、引き続き調査を続けてまいります。 続きまして、民有林再生事業の補助制度の活用と事業実施後の状況でございますが、森林所有者が自主的に行う枝打ちや荒廃竹林の伐採などに補助しておりまして、平成19年度から28年度末までに1,384ヘクタールで実施されております。森林の若返りや、竹林にかわりまして公益性の高い広葉樹林化が進んできております。 以上でございます。 ○黒沢和規議長 磯部土木局長。 ◎磯部康司土木局長 水害等への対応についてお尋ねがございました。 まず、浸水害や土砂災害に対する体制についてお答えいたします。梅雨前に関係機関と連携し、河川、崖地などの危険箇所のパトロールや水防資材の確認を行うとともに、豪雨の際には、水防計画に基づき、降雨や河川水位、土砂災害などの情報をもとに災害の危険性に応じた配備体制を整えております。加えて、被害の発生が予測される場合は、災害対策本部を設置し、全職員が総力を挙げて被害の防止や最小化に努めるとともに、必要に応じて避難情報を発令し、住民の避難誘導を行うこととしております。 次に、要配慮者利用施設数と避難計画策定施設数でございますが、高齢者や障害者など防災上の配慮を必要とする方が利用する施設として、地域防災計画に位置づけています浸水想定区域内の要配慮者利用施設は、平成28年度末現在で432施設でございます。水防法が改正される以前には避難確保計画の作成が努力義務であったことや、作成の際の施設管理者の負担が大きかったことなどから、全国的に計画を作成している施設は2%程度にとどまっており、本市におきましても作成済みの施設は現在2カ所でございます。 以上でございます。     〔「議長、28番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○黒沢和規議長 28番宮崎雅人議員。 ◆宮崎雅人議員 先ほど市長からも、いしかわ森林環境税についての説明はいただきました。私が一番心配しているのは、木材、林業についても1代や2代でものになるわけじゃないんですよね。それを虫に食われて消毒もしないという、そういう対応していたら、最近は少ないと言っていますけれども、海岸線の大体8割近くは全部切りました。それで、新しいそういう抵抗性松を植えても、いろんな意味で、先ほどからも言っていますが、そういう住宅での風の被害であったり、田畑での被害がやはり出ています。そういうことを踏まえたら、やはりもう少し真剣に取り組んでいただきたいなと。その応分の配慮というのはちょっと言い過ぎなのかもわかりませんけれども、同じ県が管理しているところ、市が管理しているところ、それで、ほかの市が管理しているところもあるわけなんです。それを足並みそろえてやらなければ、いつあそこを通っても、何か紅葉したような、真っ赤になったようなことばかりで、一つも対応はされていないんですよね。それでは何というか、県も金沢市も景観、景観と言っていますけれども、そういう海岸線の景観であったり山手の景観であったり、県だけは兼六園のそういう薬剤散布をしていても、金沢市も神社仏閣もあれば、長町の武家屋敷、そんなところから木が全部消えてしまったら絵にならないんです。景観にもならないんです。そのあたりを考えると、やはり松くい虫といったら春先の新芽がにょこにょこと出てきたやわらかいところを食べにくるんです。そのときに少しガイセンチュウをいじめるためにも、少し消毒したり、今議会でもドローンの話が出ていましたけれども、いろんな形でやる方法はあるんです。だから、そういうことを、またその担当課から県との打ち合わせのときにそういうことを言っていただいて、兼六園ばっかりが大事じゃないんやと、金沢市はやっぱり新幹線の絡みでいろんなことの観光地もあって、景観も大事にしていきたいんやと。その中で足並みをそろえて何とかそういう方向性にできないかということを私のほうからもお願いもしたいし、最近やっぱりね、特に私らのところは風が強くなっています。本当にそういうことを考えると、小松のあそこではないですけれども防風壁でも建ててほしいなと思います。本当に抵抗性松を植えても、風が強かったら負けるんです。私、いつも朝、散歩して、いつもずっと一本ずつ見て歩いているんです。それで、植えたところに木のこんな輪っぱを当てて、風で砂が飛んでいかないようになっているのが飛んでいったら、みんな拾ってきては載せてやっているんです。やっぱりそういう対応をしなければ、どれだけつぎ込んで木を植えていっても丸坊主なんです。だから、そういう意味ではしっかりと取り組んでいただきたい。だからそういう、民有林なんかも一緒です。もう材木の値段が低い、そんな中で、1代、2代で育ってきた木じゃないんです。そういうことを考えると、そういう財産を大事に使って、次の世代へ伝えていくという意味では、しっかりとそれを継承していかなければいけない。それは金沢市としても本当に景観としての財産であり、地域での財産でもあるんです。その辺をしっかりと取り組んでいただきたい。そして、県へ行ってはっきりと物を申していただきたいということをお願いもしますし、それに対しての答弁があれば答弁してください。 ○黒沢和規議長 山野市長。 ◎山野之義市長 景観のお話もいただきました。ごらんになる方からすれば、県有林であろうが私有林であろうが全く同じでもあります。今、宮崎議員のお話も改めて聞かせていただきました。県とより一層連携をしながら、松林の維持、さらには、さらに広げていけるように、これからも県と連携しながら取り組んでまいります。 ○黒沢和規議長 21番清水邦彦議員。     〔21番清水邦彦議員登壇〕(拍手) ◆清水邦彦議員 6月定例月議会一般質問の最終質問者となりましたが、自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問いたします。 質問の第1は、金沢駅周辺の発展基盤整備についてお聞きします。 金沢駅金沢港口の駅西広場に隣接し、金沢まちづくり財団が運営する駐車場7,423平米の市有地に誘致を進めていたインターナショナルブランドホテルについて、今月7日に本市とオリックス株式会社、日本ハイアットの3者が東京で共同会見を開き、ハイアットブランドの北陸初進出が報告されました。この会見の報告で、2020年6月開業を目指す2つのホテルの概要について、地上15階建ての長期滞在型ハイアットハウス金沢は、1・2階は商業施設、3階部分は庭園を整備し、宿泊客や地域住民が交流できる場所とするなど、3階から7階に客室約90室ほか、レストラン、ジムを設け、8階から15階は富裕層向け高級住宅120戸を分譲するとし、もう1棟の地上14階建ての通常型ハイアットセントリック金沢は、客室約250室ほか、レストラン、ジム、宴会使用可能な会議室を設けると発表されました。新幹線開業以来、本市を訪れる観光客は国内外を問わず増加している現状、金沢市内のホテル進出が相次ぐ中で、海外ブランドの高級ホテルが進出することが、新たな客層を取り込めると同時に、とりわけ外国人富裕層に対して金沢の魅力をアピールする絶好の機会となり、さらなる経済効果が期待されると考えるものですが、市長の御所見をお伺いいたします。 注目すべきは、国内初となる長期滞在型ホテル進出により、世界の交流拠点都市金沢実現を目指す本市にとって、その具現化策となるMICEの誘致や金沢版DMOによる滞在型観光の推進と戦略的な海外誘客促進の一助となると考えるものです。こうした滞在型観光に対応するため、新たな視点で、より高いレベルの取り組みが求められると考えます。つまり、金沢暮らしを五感で体験できる滞在環境を提供し、金沢の本物のよさを実感できるような施策にさらなる磨きをかけることが重要だと考えますが、いかがでしょうか。 一方、金沢駅兼六園口では、金沢の顔とも言える場所で長年営業を続けてきたホテルがことし3月で営業を終了し、空きビルとなって約3カ月近くたっております。金沢駅兼六園口正面の一等地にあるこのビルが工事用の白い鉄板で囲われています。その板囲いには道路占用使用許可証が1枚掲示されているだけで、将来どのような計画になるのか表示が見当たりません。今月3日の百万石まつりでは、百万石行列出発地の金沢駅前は大勢の行列参加者や市民、観光客を含めた見物客でにぎわったようですが、その人たちの目には、百万石まつりの華やかさの陰でこの空きビルの姿に違和感を覚えたのではないかと想像するにかたくありません。今後の計画はどうなるのでしょうか。動静が気になるところですが、現在、本市の対応の有無を含め、どのような対応になっているのかお尋ねいたします。民間事業者の所有物とはいえ、金沢駅前のシンボルとなる場所の建物として、どのような業態が、どれほどの規模で、いつまでに再開発がなされるのか、今後の計画の推移に大いに関心を持つ必要があると思いますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。 質問の第2は、金沢市の工業用地についてお聞きします。 最初に、これまで本市が造成立地した工業団地は、金沢テクノパークを初め、安原、いなほ、かたつ、金沢森本インター工業団地がありますが、これらの敷地面積と進出企業数、それぞれの分譲率とあわせ、金沢テクノパークを除いた企業の業種についてお聞きします。また、本市には新たな移転先を求めている企業もある中で、周辺自治体への企業流出も懸念されるところですが、企業からの拡張移転や工場増設などの要望についてどのように対応しているのか。今後の工業用地に対する取り組みについてお伺いいたします。 一方、農業分野では、農業従事者の高齢化や担い手不足、これによる耕作放棄地の増加といった問題を抱える中、さらに、一般的な兼業農家で農業だけでは生計が成り立たないことで就農を諦める現状も見受けられます。こうしたことを踏まえると、農地は近い将来多くが遊休農地となり、土地所有までも維持していくことが困難な事態になると不安の声も聞かれます。特に、土地利用に規制がある市街化調整区域では、農地以外に有効な利活用ができず、地域活性化どころか、将来的に個だけではなく集落維持をしていくことができなくなり、ひいては地域が消滅するのではないかと悲観する向きもあるようです。人口減少社会において、これからの行政の方針としてはコンパクトシティーを目指すことであり、集約都市形成計画に基づいて取り組まれているのでしょうが、郊外地域では人口減少に歯どめがかからず、それに伴い土地が荒廃するという悪循環に、ますます郊外の市街化調整区域が衰退していくことが憂慮されます。これを踏まえて、新幹線開業後の経済効果が持続している間に、将来に向けて若い世代の都会への流出をとめ、地元につなぎとめるためにも、地元に就業の場をふやすこと、企業の市外への流出を防ぐためにも新たな企業立地が必要と考えるものですが、まず、地元企業の意向調査についてどのようにされているのかお伺いいたします。 以上に述べたように、地域が生き残っていくため、これらの課題を解決する新たな工業団地と遊休農地化する市街化調整区域をつなげる施策が必要と考えるものですが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 質問の第3は、城北市民運動公園についてお聞きします。 現在、城北市民運動公園には市民野球場、市民サッカー場、スポーツ交流広場、本田圭佑クライフコート、国道8号を挟んで城北市民テニスコートなどの競技施設があり、市民スポーツの中心的役割を果たす運動公園であり、市民の憩いの場でもあります。また、それらに隣接した駐車場は暫定駐車場を含めると10カ所整備されており、1,582台収容可能です。中心市街地がマイカー乗り入れで混雑するゴールデンウイークなど観光シーズンの時期には、パーク・アンド・バスライドの駐車場機能も果たしていることも事実です。これらに加えて、この春には一般市民利用からトップアスリートまで利用者の多様なニーズに対応した金沢プールがオープンしました。以来、これまでオリンピック・パラリンピックで活躍したメダリストを招いて水泳教室を開催するなど、さまざまなイベントを通して市民の利用促進に取り組んでいるようです。施設の整備概要は、メーンプールの10レーンある50メートルプールと、その横に高飛び込み用、板飛び込み用の5種類の高さに合わせた飛び込み台を備えた飛び込みプールがあり、いずれも日本水泳連盟公認国際基準プールに認定されたプールであります。本市は、3年後の2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、去る6月1日にはフランス水泳連盟と事前合宿に係る正式な協定を締結したことが発表されました。さらに、年内にもフランスの若手水泳選手の受け入れも準備されると説明がありました。そこで、選手、指導者、役員を含めた合宿チームの対応はどうなるのでしょうか。ハード面の練習会場は金沢プールを使用するのでしょうが、ソフト面の宿泊場所や合宿会場との往復交通手段など、一時的な滞在とはいえ、滞在期間中、通訳を含め練習以外の日常を過ごす上で配慮すべきさまざまな対応が必要となってくると思いますが、どのように対応されるのかお尋ねいたします。 さらに、今回、提案説明があった文化・スポーツコミッション(仮称)についてお聞きします。 先月30日に立ち上げた文化・スポーツコミッション(仮称)設立に向けた委員会で、組織体制や支援のあり方について検討を進め、イベント誘致に係る総合的なコーディネート機能の強化につなげるとしていますが、その検討内容について、各スポーツ団体の合宿や競技大会誘致にどんな役割を果たしていくのか。総合的なコーディネート機能の強化とはどのようなものなのかお伺いいたします。 金沢プールが、今後、市民に愛される施設となるため工夫を凝らしていく、また、トップレベルの競技大会の誘致にも力を入れていくとの説明もありました。まさに国際基準に適合した金沢プールで、国際的にも国内的にも有名な大会を誘致、開催することで、世界的なトップアスリートをじかに見て感じることは、世代を超えて市民の水泳への関心を高め、競泳選手の競技力が向上するだけではなく、市民の金沢プールの利用が促進されれば、市民の健康維持や体力向上にもなり、ひいては水泳競技の普及発展に資すれば金沢プールを設置した目的が達成されると考えるものですが、どのような御所見をお持ちかお伺いいたします。 また、城北市民運動公園の今後の整備について、今年度は屋内広場整備を予定しておりますが、既に確保されている未整備の土地や将来整備予定地などの整備計画はどのように進められるのでしょうか。あわせて、施設利用者が城北市民運動公園へアクセスする際や周辺地域住民が公園内の道路を通行する際の交通の利便性の確保、円滑化をどのように図っていくのかお伺いいたします。 質問の第4は、金沢ゆかりの偉人についてお聞きします。 先般、金沢ふるさと偉人館では、10月から本市生まれで日本の近代化学工業の基礎を築いた実業家、野口遵の企画展を開催すると報道されました。これまで余り市民に知られていない野口遵にスポットを当てた経緯と、どのような内容で開催されるのかお伺いいたします。 私が初めて野口遵の名前を耳にしたのは、江戸時代、加賀藩の下屋敷が板橋区内にあったことを縁として、平成20年に本市と板橋区とが友好交流都市協定締結したころのことでした。私は、野口遵という名前の新鮮さに興味を持ち、知れば知るほど野口遵の偉大な業績に深い感銘を受けたのは、あたかも野球少年がプロ野球の歴史に残る数々の記録を持ったスーパースター選手に出会ったような感動と似たような感覚ではないかと思います。そこで、まず、野口遵について、生い立ち、経歴について整理して述べておきたいと思います。野口遵は、明治6年(1873年)7月26日、金沢の宗叔町、現在の玉川町で旧加賀藩士の父・野口之布と母・幸子の長男として生まれました。父・之布は、寺町にある日蓮宗立像寺で叔父の学僧日輝上人が開いた充洽園で学問に励み、後に、当時日本最高学府で江戸幕府が設立した昌平坂学問所への入学が許されました。全国各藩から優秀な人材が集まっていた中、同期には長州藩の高杉晋作らがおり、大いに影響を受け、幕末期に加賀藩士でありながら勤皇の志士として活動するなど、漢学者として名声もあったようです。時代が大きく変わって明治維新を迎えると、司法省の役人として勤務するため上京、その際に生後20日の野口遵も母と一緒に金沢の地を後にしたということです。野口遵の父・之布の経歴に触れておくことは、野口遵の生い立ちに深くかかわる金沢とのゆかりを明らかにしておく、このことがふるさとの偉人として位置づける重要なエビデンスになるからです。こうした生い立ちをたどった後、東京帝国大学電気工学科を卒業、福島の郡山電燈会社の技師長を経て、ドイツの世界的電気機械製造販売会社シーメンス東京支社で電気事業の基礎を身につけた野口遵は、明治39年、32歳のときに、自身初めて起業家として鹿児島で曾木電気株式会社を創立し、以来、明治41年に日本窒素肥料株式会社、後のJNCの設立を経て、昭和4年に旭化成の前身日本ベンベルグ絹糸株式会社を設立しました。この間、国内外の多くの地域で水力発電所群とその電力を機関とする化学コンビナート群の建設にほぼ独力で成功した業績は、世界に奇跡として紹介されました。昭和16年には全私財3,000万円、現在の価値で約300億円のうち2,500万円を投じて野口研究所を創設し、あとの500万円は、当時プラント事業を展開した朝鮮のため、朝鮮奨学金に寄附したということです。現在、財団法人野口研究所は、本市との友好交流都市である板橋区の加賀1丁目、加賀藩下屋敷の一部にあり、化学工業振興のためさまざまな研究調査を行い、さらに、研究者の育成や発明・考案したものの工業化にも力を注いでいます。なお、野口研究所は、板橋区の調査により歴史的な背景や価値に加え、重要な文化財として高い評価を受け、近代化遺産群として保存・活用に向け道を歩んでおります。これまで述べたような経歴を持つ金沢ゆかりの実業家、野口遵は金沢市民の誇りであり、その功績を金沢市民に広く知ってほしいと願うものです。そういう意味で今回の企画展に大いに期待するところですが、市長の御所見をお聞かせください。 一方、旭化成創業の地、宮崎県延岡市では、延岡振興の母と称され、野口遵を紹介する副読本が市内小中学校で使われているようですが、このような取り組みを金沢市の偉人教育にも生かすことができないかお伺いいたします。また、出生地が特定され、当該地の所有者の了解が得られるならば、新たな金沢の魅力発信につなげるためにも観光スポットにできないものか、その方策についてお聞きします。 最後に、金沢ゆかりの偉人、野口遵をえにしに結び、北陸の繊維産業とも接点があり、現社長は金沢市出身でもある、金沢マラソンのスポンサーとして協賛をいただいている旭化成と本市との関係が今後より強いパイプで結ばれていくことを期待して、私の質問を終わります。(拍手) ○黒沢和規議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 21番清水議員にお答えいたします。 まずは、インターナショナルブランドホテルのことについてお尋ねがございました。先般、オリックス株式会社と日本ハイアット株式会社とともに、金沢に進出しますハイアットブランドについて記者発表させていただきました。ハイアットセントリックとハイアットハウスのデュアルブランドであります。私は、大きく2つのことを期待しています。やはり1つには、ハイアットグループが持っていらっしゃる、そのハイアットグループとしての国際的なネットワークを活用して金沢という都市のブランドを高め、発信することができるのではないか。2つ目には、そのハイアットを利用される国内外の富裕層のネットワークを通じて、やはり金沢のブランドを高め、金沢という都市を発信することができるのではないか。そういうことを期待しながら、そうやって金沢のまちを元気にできるのではないか。そういうことを期待しているところであります。そのためにも、御指摘いただきましたように、さらに一層金沢の個性に磨きをかけることによって、本物の金沢のよさを伝えていかなければいけませんし、また、伝えていっていただかなければいけないというふうに考えています。 今年度からでありますけれども、伝統工芸作家の工房を訪ね、作家と直接触れ合うことができますプレミアムツアーであります一期一会ですけれども、この一期一会を今年度から外国人旅行者も受け入れさせていただくことにいたしました。また、金沢芸妓、本物の芸にふれるその会につきましても、外国人向け体験プログラムへの誘客へも支援を行うこととさせていただきました。本物の金沢を知っていただく一助になればというふうに思っています。 兼六園口のホテルですけれども、もう今は閉じられておりますけれども、先般、建築物を所有する不動産会社から、市に対してホテルの建築計画を進めるに当たっての関係法令の確認があったところであります。駅前にふさわしい計画となるよう、地区のまちづくりの方針などをお伝えし、御理解いただいたところであります。何といっても、民の地面で民が建てるものではありますけれども、兼六園口をおりたすぐ、おり立ったその場所にありますので、何といっても最初に金沢駅、そして兼六園口におり立った方のイメージを植えつけられる場所でもあります。都市のイメージアップ、そして駅前のにぎわい創出に直接つながるものでもあります。大切な場所であります。今後の計画の推移に強い関心を寄せていきます。 金沢の工業用地のことについてお尋ねがございました。 私のほうからは、企業の拡張移転や工場増設等の要望のことについてですけれども、既存工業団地の分譲に現在努めているところでありまして、加えて、平成27年度に行いました未利用地調査や空き工場の情報、不動産業者、金融機関等が保有する不動産情報を活用しながら対応させていただいているところであります。なお、テクノパークについてですけれども、引き続き、成長産業でもあります医療、環境、IT関連企業に重点を置いた誘致活動を展開するとともに、首都圏等の企業に対し、研究開発拠点などの本社機能の移転・拡充を働きかける誘致活動を行っているところであります。 遊休農地をつなげていくことができないか、市街化調整区域をつなげる方策ということも必要ではないかということです。まずは企業の拡張や移転に関する需要等を見きわめていくことが大切であるというふうに思っていまして、さらには、集約都市形成計画、本市全体の土地利用方針との整合性に配慮しながら、市街化調整区域のあり方について検討させていただければと思います。 城北市民運動公園について何点かお尋ねがございました。 まず、フランスのオリンピックに向けた合宿のことですけれども、まず、年内にはフランスからはジュニアのチームを派遣したいというふうにお聞きしています。チーム構成、時期等の詳細については、現在、フランス側と協議を進めているところでありますが、費用についてですけれども、合宿期間中の施設利用料、市内の移動に係る交通費等を負担するほか、滞在中に行いますトレーニングに要する機器の購入費等も見込んでいるところであります。協定書におきましては、合宿を良好な環境で行ってもらうために、必要な団体との契約や交渉、調整について本市が支援することとしておりまして、御指摘の宿泊場所や通訳などのソフト面についても、連絡を密にし、できる限りニーズに応えることができるよう受け入れ準備に万全を期してまいります。 次に、仮称ではありますけれども、文化・スポーツコミッションの役割、さらには総合的なコーディネート機能の強化はどのようなものを考えているかということですけれども、まず、このコミッションにはいろんなスポーツ大会等々、また合宿の誘致も含めてになってきますけれども、その誘致を推進するために必要なスポーツ団体、経済団体、民間事業者、市民団体、そして我々行政等々、多岐にわたるネットワークを構築し、ワンストップでサービスが提供できる組織としての役割を果たすことが重要であるというふうに思っています。さらには、大会やイベント等の誘致には、誘致に係る情報収集に加え、受け入れ支援や観光、広報面での連携が何よりも大切であり、ワンストップサービス機能を強化することが誘致に効果的であり、都市イメージの向上にもつながっていくと考えています。 フランスの合宿地のことにつきまして、また、この文化・スポーツコミッションの果たす役割につきましても御提案いただきました。世界トップクラスの選手の練習風景を映画やテレビではなく身近に見ることができるということは、私は、水泳をしている子どもはもちろんのこと、野球であったり柔道であったり他のスポーツ、さらには絵画であったり音楽であったり文化活動を行っている、そういう子どもたちに夢を与えることにつながってくるんだというふうに思っています。その子たちが、自分も頑張って金沢の中で活躍し、石川の中で活躍し、全国に、さらには世界に飛び立っていく、そんな思いを持っていただければというふうに思っています。特に水泳にかかわる方たちにとっては、私は、大いなる刺激になるというふうに思いますし、水泳競技の裾野を広げていくことにも直接つながっていくことにもなってくるというふうに思っています。今後とも文化やスポーツのイベント誘致に積極的に取り組んでいく所存でありますが、文化・スポーツコミッションがその中心的な役割をこれから果たしていってくれるものと期待しているところでもあります。 城北市民運動公園の未整備の土地等々についてのことですけれども、既に確保している用地につきましては、今年度、スポーツ施設整備計画を策定する中で、市内全体の施設の配置バランスを勘案しながら整備方針を検討していきます。 周辺町会につながる道路を含めた交通のことについてですけれども、これまでも公園内や周辺道路につきましては、車両、歩行者の動線、駐車場等の適正配置に留意してきたところであります。本年度、さらに交通量調査を行い、そうした動線の確保、駐車場の配置、誘導サイン等に関する計画を策定することとしています。今後とも、園内道路含め、円滑で安全な周辺交通の確保に努めてまいります。 金沢ふるさと偉人館のことについてお尋ねがございました。野口遵の企画展のことについてですけれども、野口遵氏につきましては、実はふるさと偉人館が平成25年3月に編集・発行しました「もっと知りたい金沢ふるさと偉人館91人の偉人たち」、その中に掲載するなど、これまでも調査研究を進めてきました。ただ、資料が少ないということもありまして、企画展の開催には至らず、この日を迎えているところであります。そうした中、昨年でありますけれども、野口遵氏が創業されました旭化成株式会社との御縁が金沢マラソンを通じて太くできました。御協力もいただけるというふうにおっしゃってもいただきました。調査の結果、十分な資料が確認できたことによって、企画展を開催する運びとなりました。この秋に開催する企画展は、当時の資料や写真を旭化成株式会社などからお借りし、野口遵氏の生涯とその業績を広く紹介していきたいというふうに考えています。私は、この企画展におきまして、野口遵氏は本市ゆかりの偉大な実業家であるということを私自身も改めて学び直したいというふうに思っていますし、多くの市民の皆さんにその人物像や偉大な功績を知っていただきたいというふうに思っています。また、継続した検証も必要と考えており、今回の企画展を機に、資料等の寄託、またはレプリカ等の作成が可能となれば、今後、常設コーナーの設置も検討していきたいというふうに考えています。また、清水議員もお触れになりましたけれども、板橋区とも関係の深い方でもありますので、板橋との交流におきましても野口遵氏のお力をおかりすることも出てくるのではないかというふうに期待しているところであります。 これから野口遵氏の出生地を特定できないのかということですけれども、現時点におきまして、その場所を特定する資料までは見つかってはいないというふうにお聞きしています。今後、特定することができるならば、本市の魅力発信につなげていくことができないのか検討させていただければと思います。 私のほうからは以上です。 ○黒沢和規議長 吉田経済局長。 ◎吉田康敏経済局長 本市工業団地の敷地面積、進出企業数、分譲率及び金沢テクノパークを除いた企業の業種について御質問がございました。まず、金沢テクノパークは全体面積34.3ヘクタールに現在6社が進出し、分譲率は75.3%、安原異業種工業団地は29ヘクタールに190社が進出し、分譲率は100%、いなほ工業団地は10.7ヘクタールに20社が進出し、分譲率は99.1%、かたつ工業団地は4.5ヘクタールに7社が進出し、分譲率は97.8%、金沢森本インター工業団地は8.6ヘクタールに9社が進出し、分譲率は95.8%となっております。また、金沢テクノパークを除く企業の業種でございますが、製造業が154社、卸売業が23社、建設業が20社、運輸業が9社、その他20社となっております。 それから、もう1点でございますが、企業の市外流出を防ぐためにも企業誘致が大切だが、地元企業の意向調査をどのようにしているかとの御質問がございました。今年度、県内の製造業等を対象に、工場の拡張や移転に関するニーズ調査を実施することといたしておりまして、その中で企業の意向の把握に努めてまいります。 以上でございます。 ○黒沢和規議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 野口遵氏を紹介する副読本が宮崎県延岡市内の学校で使われているようだが、このような取り組みを金沢市の偉人教育にも生かすことができないかとのお尋ねでございました。野口遵氏につきましては、現在、金沢ふるさと偉人館が児童に配布をしております冊子や泉野図書館が発行しております「かなざわ偉人物語」のほうに掲載されております。本市では、金沢ふるさと学習において、金沢の偉人に学ぶ学習を行っており、野口遵氏の業績や生き方につきましても取り上げるよう各学校に働きかけてまいります。 以上でございます。 ○黒沢和規議長 以上をもって、質疑並びに一般質問は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △委員会付託 ○黒沢和規議長 ただいま議題となっております議案第1号ないし議案第15号の各件は、お手元に配付いたしてあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     〔議案審査付託表は本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休会について ○黒沢和規議長 以上をもって、本日の日程は終了いたしました。 お諮りいたします。 明23日から25日までは委員会審査及び議案調査のため休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○黒沢和規議長 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 この際、御通知申し上げます。 次の本会議は、26日午後1時から開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○黒沢和規議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時52分 散会-----------------------------------  〔参照〕-----------------------------------     平成29年度金沢市議会6月定例月議会議案審査付託表-----------------------------------            総務常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳入 全部…………………………………………………………………24  歳出 14款 予備費………………………………………………………313 第2条 地方債の補正………………………………………………………314議案第5号金沢市職員退職手当支給条例の一部改正について…………………………9 議案第6号金沢市税賦課徴収条例の一部改正について…………………………………12 議案第7号金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正について………………………………………………………14 議案第9号工事請負契約の締結について(建築文化拠点施設建設工事(建築工事))……………………………………………………………………………17 議案第10号工事請負契約の締結について(緑住宅建設工事第3期(建築工事))…18             経済環境常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)  第1条 歳入歳出予算の補正
      歳出 6款 農林水産業費………………………………………………29            市民福祉常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 3款 民生費………………………………………………………27     4款 衛生費………………………………………………………28議案第4号町の名称の変更に伴う関係条例の整理に関する条例制定について………8 議案第8号金沢市介護保険法に基づく地域包括支援センターの包括的支援事業の実施に関する基準を定める条例の一部改正について…………………………15 議案第12号町及び字の区域並びに町の名称の変更並びに字の区域の廃止について(直江東1丁目ほか)…………………………………………………………20             建設企業常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 8款 土木費………………………………………………………310議案第2号平成29年度金沢市水道事業特別会計補正予算(第1号)…………………415議案第3号平成29年度金沢市公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)…………619議案第13号市道の路線認定について………………………………………………………26 議案第14号金沢市の区域内で野々市市長が市道を認定することの承諾について……27 議案第15号市道の路線変更について………………………………………………………28             文教消防常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第1号平成29年度金沢市一般会計補正予算(第1号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 10款 教育費………………………………………………………312議案第11号石川県市町村消防賞じゅつ金組合規約の変更について……………………19...